所蔵品展「清水九兵衞《CORRESPOND A》」、「ぎふの日本画 水墨の彩り」の作品を鑑賞して《Such Such Such》を体験するプログラムを行いました。

開催概要

開催日:2023年6月18日(日)
時   刻:14:00~15:30(90分)
会 場:岐阜県美術館 美術館ホール休憩コーナー、展示室1
対象展示:「清水九兵衞《CORRESPOND A》」、「ぎふの日本画 水墨の彩り」
対象作品
・清水九兵衞《CORRESPOND A》2002年
・前田青邨《水墨襖絵》明治末期
・平川敏夫《鳴門潮聲》1990年
参加人数:8名

 

内容

○オリエンテーション

美術館ホール内の休憩コーナーに集合しました。まずはオリエンテーションです。この日は、企画展「Art Award IN THE CUBE」の最終日で、大変な賑わいの中、スタートしました。
はじめに、アートツアーの流れと日比野克彦アートコミュニケーション作品《Such Such Such》について説明をしました。
展示室での注意事項を確認し、グループごとに自己紹介をしました。今日初めて会う人達とも一緒に作品鑑賞を行います。
一人ひとつコネクターボックスをもってツアーに出発です!

展示室で作品鑑賞!

展示室に移動し、まずは作品をじっくり鑑賞します。
作品から自分が感じたこと、疑問や発見などを言葉にしたり、他の人の感じ方や気づきを聞いたりしながら、作品を見つめていきます。
《CORRESPOND A》
「白い部分は何でできているのだろう。何か建築物のようだ。」「これは罠。レーザー光線が出てきてつかまってしまう。」 等
《水墨襖絵》
「若松のまえに生えている植物には、どんな花が咲くのだろう。」
「霞んでいて癒される感じがする。」「もやもやしてはっきりしない印象だ。」
「下の方が消えているので靄がかかった感じに見える。」
「白いの何かな。月かな。夜だからはっきり見えないのかも。」 等
《鳴門潮聲》
「別の惑星に来たようだ。」
「引きこまれていくように感じる」
「世界の終わりみたい」 等

コネクターを選ぶ

作品をみて感じたことを言葉ではなく「もの」に例えてみます。「もの」のことをコネクターとよびます。ひとつの作品を見たら、作品を見たときの自分の気持ちに近いコネクターを選びます。
今回のコネクターは機械的なもの、染色和紙(染色していない和紙も含む)、石ころです。コネクターの形や機能、材質感、色や模様などから、気持ちを探っていきます。
《CORRESPOND A》→電子基板のコネクターを選択
「工場のダクトのよう。作品裏のボルトが機械的だったので。」
《水墨襖絵》→緑と薄黄の和紙を選択
「木とか葉っぱとか松とかある。色をつけたら緑の絵になる。」
《鳴門潮聲》→白い筋の入った石を選択
「白い波しぶきの感じが印象的だった。」 等

スケッチをする

3つのコネクターが集まり、美術館ホール休憩コーナーに戻りました。コネクターを見つめながら、感じた時の気持ちを思い起こし、今自分が感じていることをスケッチします。今回は、色鉛筆に加え、コネクターとして選んだ和紙をちぎったり切ったりして貼り付けることもしました。

スケッチをもとに交流

「鑑賞した作品を見た時の何かもやもやした感情を表すような染色和紙を選んだ。和紙をちぎって貼り、光がさすように描いた。絵の中でもやもやが晴れていくようにすることができた。」

「3つの作品を絵にしました。ここは緑の松とかが生えていて、その間を黄色い車が通り抜けています。ここからレーザー光線が出ているので捕まらないように逃げていっているところです。ぐるぐるした水(渦巻)の力で茶色と緑の植物が育ってピンクの花が咲くといいなと思いました。」 等

参加者の声(アンケートから抜粋)

・すごく楽しかったです。また行きたいです。
・作品を見ることでいろんな気持ちに気付けました。学校でもこんな気持ちを活用したいです。
・一人で最初に見たときに感じたことと別の視点の感想を聞いていたら、別の発想があっておもしろかったです。子供さんの目で見た世界観はとても楽しかったです。ありがとうございました。

スタッフの振り返り

・参加された皆さんが、作品に対する自分の思いを語られたり、感じたことを表現したりすることをどんどん進められていたことが印象的でした。
・コネクターを選ぶときに考えたこと、表現をするときに考えたことなど、取り組まれた方の思考の過程が魅力的でした。