開催概要
- 開催日
- 2023年8月6日(日)
- 開催時刻
- 14:00~15:30(90分)
- 会場
- 岐阜県美術館 多目的ホール、展示室3
- 対象展示
- 「こぐまちゃんとしろくまちゃん 絵本作家・わかやまけんの世界」
- 対象作品
- ・おともだちが、たすけにきてくれました。おいけがまっくろになりました。/p.15-16/1967年
- ・こぐま社創立10周年記念贈答用リトグラフ/1976年
- ・「わぁまぶしい」ほたるたちがそろってあかりをつけたのです。/p.26-27/1981年
- ・『からすのかんざぶろう』/p.13/1979年
- ・『保育の友』1989年8月号表紙原画
- 参加人数
- 21名
企画展「こぐまちゃんとしろくまちゃん 絵本作家・わかやまけんの世界」の展示作品を鑑賞して《Such Such Such》を体験するプログラムを行いました。
内容
○オリエンテーション
オリエンテーションでは、本日の活動内容と流れについて確認しました。また、日比野克彦アートコミュニケーション作品《Such Such Such》について説明をしました。対象展示の「こぐまちゃんとしろくまちゃん 絵本作家・わかやまけんの世界」は、岐阜県出身のわかやまけんさんの多彩な創作活動によって生み出された約230点もの作品が展示されています。
展示室での注意事項を確認したのち、グループごとに自己紹介をしました。今日初めて会う人達と一緒に作品鑑賞を行います。
一人ひとつコネクターボックスをもってツアーに出発です!
○アートツアーのスタートです
夏休みの日曜日ということもあり、多くの方が美術館に来てくださっていました。
そのにぎわいの中で、グループごとに作品の前に集まり、対話型鑑賞を行いました。参加者の皆さんはじっくり作品を鑑賞した後、気づいたこと、感じたことを思いのままに言葉にしていきます。
「ケーキを食べているのに泣いている子もいるよ。なんでだろーね。」
「オタマジャクシは協力して金魚を助けているんだよ。」「うーん。ざりがにを守っているようにも見えるよ。」
「食器をもって楽しそうだね。」「なんで全体が赤いんだろう? 夕方かもしれないね。」
と感じたままを言葉にしました。グループの仲間の見方を聞くことで思いを広げました。
○感じた思いを大切にコネクターを選びます
作品の前では、作品を鑑賞して感じたことを「言葉」で表現してきました。次は「もの」にたとえていきます。「もの」のことをコネクターと呼びます。コネクターが並べられたテーブルの前では自分の感じたこと大切にコネクターを見渡します。ひとつの作品を見て、作品から得た自分の「感じ」に近いコネクターを選びます。
今回のコネクターは「プレゼント・パーティーに関わるもの」「白、黒、光るもの」「赤、青、積み上げられるもの」です。作品から感じ取った「感じ」にどのコネクターがぴったりくるのか自分の気持ちを探っていきます。
「オタマジャクシのかたちに似ていて、絵のことをすぐに思い浮かべられるよ。」
「絵の中に書かれていた10がすごく気になっていたから、数字の10を選んだんだ。」
「作品に描かれている青色と四角い形が印象的で、そのイメージにぴったりのタイルを選んだよ。」
コネクターを選んだ理由も一人ひとりの感じた「感じ」によって様々です。コネクターを選んだ理由をグループの仲間に発表しました。
3つの作品を鑑賞し終え、コネクターボックスの中に3つのコネクターが集まりました。
○スケッチで色、形に表します
スケッチを通して自分の感じたことを探る時間です。多目的ホールに戻り、作品を見たときに抱いた「感じ」を大切にして選んだコネクターを見つめ、スケッチに表していきます。すぐに色鉛筆を手に取り描き始める姿、じっくりとコネクターを見つめる姿など、感じ方も様々であったように、表現も様々です。家族の表現に刺激を受けてスケッチを進める姿も見られました。鑑賞でグループの仲間の感じ方に耳を傾けたように、表現でも仲間の表し方に目を向けました。見方も感じ方も表現の仕方もどんどん広がっていきます。
○スケッチをもとに交流します
どんな思いでスケッチを行ったかグループで交流をしました。その後、他のグループのコネクターやスケッチを見学しました。自分が選ぶか迷っていたコネクターを選んだ仲間を見つけ、思わず笑顔がこぼれる瞬間がありました。全体では、グループの代表が作品を鑑賞した時に感じ取った思いや、コネクターを選んだ理由をスケッチを通して話しました。
参加者の声(アンケートから抜粋)
・親子でとても楽しめました。物を選んだり、他の方のアートを鑑賞したりと普段できない体験ができてとてもよかったです。また参加したいです。
・自分の感じた気持ちとじっくり向き合い、形にする時間は普段はなかなか経験することができないので、とてもよい体験でした。スタッフの方も優しくしてくださり、子どもたちも楽しんでいました。
・めっちゃおもしろかった。ものを絵にたとえられてめっちゃよかった。
スタッフの振り返り
・感じたことを言葉に表すことが難しい参加者でも、コネクターを選び、スケッチに表すことができていました。家族で声を掛け合い、感じたことを言葉にしたりコネクターを選んだりするときのフォローする姿があたたかかったです。
・自分の感じたことを大切に、自分の考えでコネクターを選ぶ姿を見ることができました。
・時間にゆとりがあるとさらによいと感じました。鑑賞や表現にゆとりをもって活動できる計画を立てられるよう見直していき、より一層充実したアートツアーになるよう準備をしていきたい。