【基礎ゼミ】第6回<会議が変われば社会が変わる>

【基礎ゼミ】第6回<会議が変われば社会が変わる>

実施日:2024年6月23日(日) 10:30~15:00
会場:岐阜県美術館 アートコミュニケーターズルーム
講師:青木将幸さん(青木将幸ファシリテーター事務所 代表)
チームで活動を進めていくとき、一人ひとりが主体的に関わる直接的な話し合いが重要です。ミーティングの理想的なスタイルや具体的な手法を実践的に学びます。

今回の基礎ゼミの講師は、家族会議から国際会議まで幅広い会議の場でファシリテーターとして活躍している青木将幸さんです。
「~ながラー」の活動では、企画を実施するまでにミーティングや対話が何度も繰り返されます。
よいミーティングをすると、新しいアイデアが生まれお互いの関係がよりよいものになっていきます。
今回のゼミではよい会議をするための練習を行いました。

ウォーミングアップ

本題に入る前にウォーミングアップをしました。
「好物は何ですか?」という問いに対する答えを絵に描き、近くの人と絵を見せ合いながら交流をしました。
誰もが答えやすい簡単な問いについて話し合うことで、リラックスした状態で次の議題に移ることができます。「~ながラー」たちは好きなものについて話し始めると、表情が明るくなって、会話が弾むことで会場が賑わいました。

    

全員が自分から発言していくことで、誰もが発言しやすい雰囲気を作れることができるので、ウォーミングアップはよい会議を進める上で大切なことです。
気持ちがほぐれた状態で本題のミーティングを行うとアイデアが生まれやすくなります。

Good Meeting

楽しい話題から話し合うこと以外にも、Good Meetingにするためのヒントを青木さんに教えていただきました。

1,個人で書いてから集団で話し合う
議題について事前に自身の考えを書き出しておくと、ミーティングで様々なアイデアが出やすく、参加している誰もが発言しやすい場になります。
2, 深刻な話題から入らずに、楽しい入口から話し合う
誰もが参加しやすい簡単で楽しい話題から始めることで、リラックスした状態でミーティングを進めることができます。
3, 賛同できる発言に対して、リアクションを返す
ミーティングの中で賛同できる発言があった場合、相槌やうなずき等の反応をすることで、発言者は発言しやすくなり、場の雰囲気も柔らかくなります。

その他にも、講座が進むにつれ「合意できるところを見つけ書き出す」「会議の4つの段階を意識する」「①時計係②記録係③進行係を決める」という項目を意識した会議ができるようになりました。

 

青木さんから教えていただいたヒントをもとに、個々が考える「Goodな会議」と「badな会議」を考えてA3の紙に書き出し、各テーブル内のチームで話し合いました。そして話し合ったことをA3の用紙にまとめ、「~ながラー」として様々なミーティングをするうえで大切にしていきたいルールを設定しました。

  

お昼休憩の間に面白い議題、真面目な議題…どんなことでもよいので「ここにいるみんなと話し合ってみたいこと」を考えておくという課題をいただき、午前中の基礎ゼミが終了しました。

会議の4つの段階

午後からは、会議の練習の時間です。

会議を始める前に、会議の中で4つの段階があることについて、青木さんからお話がありました。
・共有:会議の目的やテーマ、時間等の共有、参加者の様子を共有する段階
・拡散:テーマについての案や色々な可能性を出し合っていく段階
・混沌:出てきた案や意見について吟味していく段階
・収束:テーマの方向性を決定していく段階

4つの段階を経て行動に移していきます。これらの段階を意識し、「〜ながラー」は会議の練習に取り組みました。

「ここにいるみんなと話し合ってみたいこと」

よいテーマは人を主体的に考えさせます。相手の話を聞きたくなるような問いからよいコミュニケーションが生まれるそうです。

「〜ながラー」が皆と話し合いたい議題について、各テーブルで案を出し合いました。

ひとりで考えているときにはなかなか思いつかなかったり、発言しづらそうにしていた様子の「〜ながラー」でしたが、グループで話し合うことで小さな案が具体的に膨らんでいったり、付け足しがあったりして、話しやすい空間ができ、たくさんのテーマが生まれました。

各グループで出てきた12のテーマ全てについて話し合うために、1つのテーブルで1つのテーマを20分間話し合う形式を4つのテーブルで3回行いました。

  

「積読を解消するにはどうしたらよいか」「好きな食べ物が真逆な人とうまく付き合うにはどうしたらよいか」といった日常的な議題から、「〜ながラーがつくるアートスペース」「芸術は生きる為に不要という人がいるが、本当か」といった「〜ながラー」としての活動や芸術に関する議題まで様々でした。

大きく笑い声の上がるグループや、拍手が上がるグループ、相手の言葉を受け議論が白熱するグループもいて、会議は盛り上がりました。

  

  

ふりかえり

好きなものについて話し合った後や会議の後、A3用紙に記録した内容を撮影しました。基礎ゼミが終了した後に「〜ながラー」専用サイトの掲示板に写真を投稿することで、欠席した「〜ながラー」への情報共有やチームでのミーティングの内容を振り返るためです。また、「〜ながラー」の人柄と好きなものを結びつけやすくなり、次回からのミーティングでアイスブレイクをしやすくなる効果もあるとお話がありました。

  

「〜ながラー」のふりかえり

・実践の中で感じたのは場の雰囲気によって、ミーティングの質が変わってくるということ。「〜ながラー」のみなさんは、ここまでのゼミで学んできたこともあり、相手の言葉の一つ一つをとても大切にできるので、場が荒れることなく、みんなでよりよいものに近づいていく、という感覚がありました。
・Good Meetingにする為の6か条を元に実践したミーティングは、ミーティング参加者との間に、既に話しやすい雰囲気が出来ていたおかげで、意見の拡散と個性の入り混じった混とんとした時間が短くても、質の高い時間になり収束できた事を体感しました。
・最初によいミーティング・ルールについての共通認識を深めることで、ミーティングの質も高くなるという点が面白かったです。また議論内容そのものだけでなく、その時話す相手自身にも興味を持つこと(アイスブレイク)で、ミーティング自体が前向きなものになるという点も印象的でした。

スタッフノート

「~ながラー」として活動を進める上で、ミーティングはとても重要です。青木さんに教えていただいた「Good Meeting」のヒントを参考に、話しやすい雰囲気を大切にしながら活発に議論しており、5期持ち前のパワーが存分に発揮されたと感じるゼミになりました。今回のゼミで学んだよいミーティングを意識して、話し合いの場を充実させてほしいです。