つながる・KIMONO丸

「この舟のろう方式」による活動を、「〜ながラー」自身がふりかえり、掲載します。
今回は「つながる・KIMONO丸」の企画の様子をお届けします。

【活動期間】
2025年7月〜2026年2月

【メンバー】
5期:柏淵
6期:阿部・糸井川・色部・坂本・佐藤・前田・吉田

1、「つながる・KIMONO丸」のはじまりと趣旨

はじまりは、2025年6月21日(土)に開催された基礎ゼミ5「会議が変われば社会が変わる」の中で行われたグループワークからでした。
近年、着る機会が少なくなったように感じる着物は日本の伝統的な衣。そんな伝統文化を見直しながら、利用されなくなった着物の再利用法も提案しながら、美術館の企画展や所蔵品とつなげて、何かを伝えてみたい、企画してみたい、そんな仲間が集まりました。

2、イベントとして立ち上げるまでの挫折・断念・意気消沈の繰り返し

・舟っていつ立ち上げればいいの?どんなふうに?
そんな疑問を頭の片隅に常に置きながら、企画内容はどんどんグループ内で膨らみ、その頃、提案されていた「ふらっとぱ〜く:見る、触れる、話す、感じる、考える」(以下「ふらっとぱ〜く」展)の自由な枠の中で何かできそう!と意気込みましたが、やりたいことばかりが前のめりに進み、
「着物のハギレを使ったワークショップを美術館で行う意義」
「展覧会内容とはどうつなげる?ただ作るだけ??」
その2点で美術館スタッフの方々と多くの打ち合わせを行い、アドバイスをいただきました。企画書を5回くらい直した履歴が残っています。とにかく「つながる・KIMONO丸」を知ってもらおう!と「~ながラー」向けのイベントを開催するだけでもいいじゃない?と掲示板で告知しましたが、参加者は集まらず。というわけで「ふらっとぱ〜く」展に合わせた気合いだけの企画は間に合わず。次の「古墳時代から織部、そして現代へ-土岐市美濃陶磁歴史館の名品と土岐市の寺社の文化財-」展も同様に、なにか企画ができないかと頭をひねりましたが時間が足らず、断念・・・。

グループ内ではため息が漏れ、たまには弱音も漏れ、でも最後まで「めげずに頑張ろう」という固い決意がついに実を結びました。

3、初イベントデビュー 「舟フェス」でクルミボタンの帯飾りつくり

2025年11月3日(月・祝)
そんな中、スタッフの方からも「舟フェス」でイベントを実施する機会があると聞いて、背中を押され、ようやく初ワークショップ(以下 WS )を実施しました
この時の舟のメンバーの結束力やイベントを成功させようとする意気込みはすごかったです。
何度もミーティングを繰り返し、当日は2回のWSを実施。
材料のハギレはそれぞれのメンバーの自宅にあったものを持ち寄りました。
小さなお子様から80代の方までの幅広い年齢層の参加者にめぐまれ、選ばれるハギレの柄も人それぞれで、多くの作品づくりのアイデアの中から、簡単にできて着物ともつながる「帯飾り」を選択したことでみなさんにも楽しんでいただけました。運営する私たちも楽しんでWSは無事行われました。

4、本来の目的の糸口をつかんだ 2回の【KIMONO de 鑑賞会〜「ロマンティック・モダン」に想いをはせ〜】

舟フェスで経験を得たメンバーの次の目的は、やはり展覧会と連動したイベント開催。
メンバー内から、モノ作りからいったん視点を変えて、基本の「き」の視点で着物を着ての鑑賞会にしたらどうか?との発案がありました。ただ、着物だけにすると集客のハードルが高い。和風小物も参加OKとしようなど。
でも、ハギレを使ってWSもやりたい。時間の制限もある。ならば、簡単な手法を考えよう。ということで、企画展「大正・昭和ʼモードの源泉ʼ 国立美術館 コレクション・ダイアローグ」を対象に着物を身につけたり和風小物を持ってきて作品鑑賞したりすることと、WSでハギレを使ったミニカードを制作することに決定!

1、2025年12月14日(日) 「KIMONO de 鑑賞会」
人数が集まらないかも?という不安をよそに当日は7名の参加者が集まり、2グループに分かれました。着物を着て、または和風小物を手にし、皆さんそれぞれの思いのドレスコードでご参加いただき、イベントは和気あいあい、とても和やかに進みました。

2、2026年2月15日(日) 「KIMONO de 鑑賞会」

1回目で開催した鑑賞会での経験を踏まえ、今期の集大成として2回目のKIMONO de 鑑賞会」を実施しました。
鑑賞会では、1回目とは異なる作品で鑑賞し、内容や流れはほぼ同じとしました。
美術館Webサイトでの参加者募集開始3日目にして、定員8名を超える11名の参加者が集まりました。
開催当日は、駐車場に入れない参加者が開始時間に遅れるというハプニングもありましたが、みなさんに楽しんでいただき、無事に鑑賞会を終えました。こうした当日のハプニングへの対応は、今後の課題ともなり、よい経験となりました。

ほぼ全員6期で構成された舟で作り上げていったWSでは、要領を得ず、なかなかスタッフからもOKが出ず、どうしたら企画が通るのかなど、何度も何度も舟で話し合いました。

あきらめそうになった時もありましたが、メンバー全員の強い意志で、企画展で2回の鑑賞会を開催することができました。ひとえに、グループ内の士気が非常に高かったこと、何としてでもWSを立ち上げるという強い意志と願いから、企画書作成やWSの素材つくりに臨んだ日もありました。

スタッフの方々は、そんな私たちの根気に粘り強く、叱咤激励時には優しいヘルプもあり、全3回のイベントを行うことができました。

来年度も企画を考えたいと思っています。「つながる・KIMONO丸」の活動趣旨やねらいを、美術館という枠組の中で行う意味に着眼して、自分たちらしく形にしていきたい、それが本当に願いです。

5、KIMONO丸 みんなのふりかえりと来期への希望

<かよさん>
基礎ゼミでの雑談から生まれた小さな種が、形になっていく過程を体感することができました。
初心者の私たちには難しいことがたくさんありましたが、吉田さんの統率のもと、「~ながラー」の活動としてみんなで仕上げていきました。
特に着物と美術館をどのようにつなげるかは、みんなで悩んだ難問でしたが、「~ながラー」の存在意義を考える大切な過程だったと思います。
また、参加者の方と着物を通して一緒に楽しむことが一番の目的ですが、それ以外に私自身が着物に改めて触れたり家族と話題にしたことなども楽しく有意義な時間でした。
今後もますます着物の来館者が増えるきっかけを作れたらいいなと思います。
当初はお互いのことをあまり知らなかった舟の仲間たちですが、対話や時間を重ねるうちにそれぞれの得意なことや素敵なところなどを知り、結束が深まったと思います。
楽しい時間を感謝いたします。

<ひろさん>
なかなか先が見えない時期もありましたが、メンバーの「やりたい!」という熱意が原動力となって2月15日にたどり着くことが出来て本当に良かったです。今となってはそれまでの長い混沌が大事だったのかなと思います。皆さんの得意にたくさん助けていただきました。実践してみて初めてわかった課題もあり、次につなげていけるようにしたいと思います。楽しく貴重な時間をありがとうございました。

<みきさん>
「舟の作り方」のゼミの時、とても素敵な企画だなと、その日の帰りに吉田さんに着物の舟に乗りたい旨を伝えて、私の活動が始まりました。とは言え、着物に関して分からないことも多く気後れすることもしかし、メンバーの皆さんが温かさや熱さに「やりきりたい!」という思いが増していきました。思いとは裏腹に、熱意がめちゃくちゃあっても企画を通す難しさ、実行する大変さも勉強させてもらいました。出来るだけ誰の意見も取りこぼさないよう形にした「舟フェス」と「KIMONO de 鑑賞会」では、来館者から生の嬉しい反応を感じ取ることができたこと、同じような思いを持つ方に沢山お会いできたことが嬉しかったです。

<まりさん>
舟の活動にはたくさん参加できませんでしたが、舟の漕ぎ手のみなさんの活動を見ていて、私も何か参加できたらいいなあと考えることも多く、バタバタする日常の中でも、楽しく毎日を過ごさせていただきました。またできるならば、みんなでひとつのオブジェをつくる活動などできたら、夢が広がるなあと思います。

<のりえさん>
舟活動経験「0」の仲間で舟を立ち上げ、思うように企画が固まらず方向性を二転三転させ、ようやくこぎつけ、ドタバタ開催!
でも、終わってみればとても良い鑑賞会となり、話し合いを重ねる大切さを実感しました。
何より、活動を通して仲間ができたこと、自分もまた着物を着る機会が増え、充実した1年となりました。
今回は、メンバーの得意がそれぞれにあり、うまく役割分担できたのも良かったと思います。
今期の経験を来期にも活かして、また活動していきたいです。

<ひとみさん>
昨年12月のお助け隊をきっかけに乗舟させてもらいました。意見交換が活発でメンバー皆さんが着物愛に溢れているところに惹かれて参加。企画として練り上がっているところからの乗舟でしたが、それでも準備・開催の大変な中に楽しさを体感しました!
お助け隊の時にも感じたことですが、メンバー一人ひとりの熱意が掛け合わさって「チームワークが成すパワーってスゴイな!」と渦中でより深く感動しました。リーダーとなって取りまとめてらした吉田さんをはじめ、それぞれの特性を発揮していたメンバーの皆さんにリスペクトです!
今後この鑑賞会が定着し益々盛り上がれば嬉しいです。来期は、私自身もう一歩踏み込んだところで、コンセプトやアイディア出しなど立ち上がりから是非関われたらいいなぁと思っています。
途中からの乗舟を温かく迎え入れてくださってありがとうございました!来期もよろしくお願いします。

<みちよさん>
舟を漕ぎ出して初めてのWSや鑑賞会、企画が通るまで試行錯誤の日々でしたね。振り返ってみるとあっという間の1年でした。
個性豊かで多才なメンバーが集まり、たくさんの刺激をもらいました。子育て、家事、仕事などで忙しい中、時間をさいて美術館に通い、企画を前に進めるメンバーの情熱に、尊敬と感謝の日々でした。ありがとうございました。
「KIMONO de 鑑賞会」に参加してくださった方が、「着物の良さを再発見しました、着物っていいですね」と。
我々の企画が、箪笥に眠っている着物を日常に取り戻すきっかけになれば大成功ですね。
来年は自分自身も着物を楽しむことに挑戦してみます!
そして、「つながるKIMONO」丸として新たな美術館の魅力を発信できる企画をメンバーと共に考えていきたいと思っています。

執筆
5期:柏淵
6期:阿部、糸井川、色部、坂本、佐藤、前田、吉田