こよみのよぶね2025丸
「この舟のろう方式」による活動を、「〜ながラー」自身がふりかえり掲載します。
今回は「こよみのよぶね2025丸」の企画の様子をお届けします。
【活動期間】
2025年4月〜2026年1月
【メンバー】
5期:井川、石原、馬場、種田、大堀、岡田、熊澤、佐橋、鈴木、平光、堀部、水井、村瀬、山本
6期:阿部、市橋、糸井川、伊藤、上田、小野木、小林、佐藤、日高、前田、吉田
1、「こよみのよぶね」とは
冬至の夜、長良川に1〜12の数字と干支をかたどった行灯を掲げた舟を浮かべます。数字は各月を意味しており、川面を過ぎる行灯を眺めながらこの一年を振り返ろうというもの。日比野克彦(現 岐阜県美術館長)の発案・呼びかけにより2006年に始まり2025年は節目の20回目となりました。「〜ながラー」は2020年より干支の行灯を手がけており本年度は「巳」をモチーフにした行灯を制作しました。
2、仲間を集めチームをつくろう
新規メンバーを勧誘するため、4月12日に開催された基礎ゼミ1のオリエンテーションにて「やりがい」ならどこにも負けない舟であると6期「〜ながラー」に向けてアピールしました。
3、干支行灯デザイン・制作の流れ
①まずは竹取りから(6月26日)
こよみのよぶね実行委員会の呼びかけに協力して、芯棒となる竹の切出しに参加しました。暑さや藪蚊と格闘しながら数十本の丸竹を切出しました
②デザインモチーフを持ち寄ろう(7月13日)
デザインモチーフとなる蛇のイメージ画を持ち寄ろうと呼びかけたところ、数多くのイラストや写真が寄せられました。集まった30数点のイメージをキーワードによりグルーピング。
「美術館デザインに相応しいギミックとは何か」を選考基準にして絞り込みを行いました。その結果「ポリゴン(多角形)」デザインが採用。昨年の「親しみやすさ」とは対照的な「スタイリッシュで洗練された」イメージが選ばれました。
③デザイン案をブラッシュアップ(8月16日)
前回ミーティングで選んだイメージ画はAIによって作成されており実現性の根拠に乏しかったため、Iさんが設計レベルにブラッシュアップし強度等の検証を行いました。結論として立体物として制作しても原案から大きく逸脱することはないと判断し、館長、こよみのよぶね実行委員会にIさんのデザイン案を提出することにしました。
④設計図作成前の3Dモデルを共有(9月21日)
設計図を担当するHさんが行灯の構造確認のための3Dモデルを作成。かなり現実的な完成予想図が見えてきました。
設計のお仕事をされているHさんの技量が発揮されました。「〇〇しながら〜」の「〜ながラー」らしい活躍です。
⑤「設計図」を配布し実制作へ(10月12・13日)
こよみのよぶね実行委員会から竹材と工具が届いたため、10月7日、Hさん作成の「設計図」を配布し実制作に取り掛かかりました。また5期メンバーが、はじめて行灯制作に参加するメンバーに工具の取り扱いを伝授しました。
⑥11月の毎週末は骨組み制作(10月18日〜11月22日)
和紙貼りイベント開催のために11月中旬までに骨組みを完成させなければなりません。そのため11月の土・日・祝日は全て作業を行うことにしました。11月16日には骨組みが完成。11月22日には電球を設置し和紙貼りを待つばかりとなりました。
⑦いよいよ和紙貼り(11月22日〜12月13日)
11月22日から和紙貼りに取り掛かりました。そして11月29日、30日と12月6日、7日には来館者の方に和紙貼りを手伝っていただくイベントを開催。4日間で76名の方に和紙貼りを体験していただきました。また「こよみっけ‼︎」イベントも同時開催。こちらは222名の方に参加いただきました。12月13日の仕上げ作業、12月20日の撥水剤塗布を経て、いよいよ完成です。
冬至の前日の12月21日には美術館スタッフとメンバーに見送られ美術館を出陣しました。
4、ネーミング総選挙
干支行灯をもっと身近に感じてもらえるよう制作と同時に「ネーミング総選挙」を開催しました。
①メンバーからネーミング案を募集(9月12日〜10月4日)
全ての「〜ながラー」に呼びかけネーミング案を募集したところ、17の案が寄せられました。
②メンバー内でネーミング案を4案に絞り込み(10月5日〜10月11日)
メンバーによる投票で4案に絞り込みを行いました。その結果、「ナガラノオロチ」「ナーガラージャ」「ヘビノかっちゃん」「〜ながラガラ蛇」の4案で総選挙を行うことになりました。
③来館者による投票(10月12日〜11月9日)
思わず投票したくなる仕掛けを施すことになり、星型に折った色紙を金魚鉢型の投票箱に投票してもらう案が採用されました。多目的ホール横に設置された投票ブースは土日には人だかりもできました。投票期間は1ヶ月弱でしたが947票が投票されました。
5、こよみのよぶね当日
①朝は恒例のラジオ体操から始まる(7:00)
当日の朝はホテルパーク前の河原に集合。ラジオ体操で身体をほぐし、昨日集められた行灯を鵜飼舟に括りつけてゆきます。様々なチームとの共同作業により人と人との距離が縮まります。オロチも警備艇に設置されました。
②恒例の「竿人」衣装を制作(10:00頃)
行灯の括りつけと並行し鵜飼観覧船待合所にて「竿人」の衣装制作が始まります。竿人はアクティブGスタッフの皆さんが担当しますが衣装制作は「〜ながラー」が行います。「〜ながラー」ならではのチームワークを発揮し点灯式の前にはユニークな衣装が完成しました。
③館長による目入れでオロチに命が吹き込まれる(10:30)
完成した干支行灯に日比野館長の筆により目を描き込む「目入れ」は毎年恒例の儀式。
メンバーに見守られながら開眼したオロチはこれまでにない表情を見せてくれました。
④カウントダウンで明かりが灯り、いざ出航(16:50)
日没の時刻に合わせ「こよみのよぶね2025」開始のカウントダウンが始まります。その場に集う人々の「点灯〜!」の掛け声とともに明かりが灯されると、オロチの乗った干支舟を先頭に月舟が次々と川面に放たれます。
⑤クライマックスの花火に大歓声が!(19:00)
始まりから20周年を迎えたため、節目の年をお祝いする花火が上がりました。19時頃には立て続けに打ち上げられクライマックスを彩りました。
6、左義長で全てはゼロに戻る
1月14日、例年通り長良天神神社の左義長で「こよみのよぶね」行灯と「こよみっけ‼︎」のお焚き上げを行いました。今年は缶に入れた丸竹をくべて竹炭も製作。これは「こよみのぶね2026」で打上げる花火の原材料になるということです。こうして全ての行灯、全ての「こよみっけ‼︎」が「0=ゼロ」に戻りました。そして新たな始まりを迎えます。
7、みんなの感想
・今年の活動は、見事なチームワークで凛々しい「巳行灯」を完成させることができ、本当に良かったと思います。他の行灯チームや実行委員メンバーの皆さんと昨年以上に交流を深められたことは、地域のアートプロジェクトならではの魅力だと感じました。(HYさん)
・小学生の頃から親しんできた本イベントに参加でき、貴重な体験となりました。設計段階から議論を重ね、投票システムなどの新アイディアを形にする過程は非常にわくわくして刺激的でした。「こよみっけ!!」や和紙貼りを通じて来館者と直接交流できたことも大きな収穫だったと思います。(KSさん)
・行灯がどんどん形になるたびに「設計通り!すごい」と驚いていました。竹で輪っかを作ったり和紙貼り等、初めてでも丁寧に教えていただき楽しく作業ができました。舟に乗ることができて良かったです。(IHさん)
・当日現場に着くや否や、河川敷の舟をチェックするスタッフの姿から始まり、舟のみんなで試行錯誤して作った竿人の衣装。イベント本番の空気感と目に入ってきた優美な光景。準備の段階の数々。はじめから関わらせて頂けた事に心から感動しました。(YCさん)
・和紙貼り体験や「こよみっけ!!」に来てくださった方々が、毎年楽しみにされている方も沢山いらっしゃり、想いをカタチに一緒に創り上げる大切さを感じました。また、本番の夜には、「とうほくのこよみのよぶね」の活動をされている旅館の方のお話を聞かせていただき、想いをカタチにを次に繋げてゆけたらと思います。(UYさん)
・私は「〜ながラー」になって初めて「こよみのよぶね」を知りました。みなさんの熱い思いとチームワークの良さにいつも感心していました。岐阜が誇る素晴らしいこの活動が、川の流れのようにいつまでも継がれていけばいいなと心から思います。(AKさん)
・6月のキックオフmtgから始まり、デザイン設計からの制作、来館者によるネーミング選手権で「ナガラノオロチ」と命名され、あれよあれよと行灯が完成していきました。こよみのよぶね当日は「ナガラノオロチ」が凛々しく凛然たる姿で時を刻んでいるのを見て感動しました(OYさん)
・「〜ながラー」になる前から、毎年観に来ていた景色に、今年も制作側で携わる事が出来て嬉しいです。干支行灯が長良川に浮かんで流れてゆく姿は、我が子の勇姿を見守るような感情も入り混じり感慨深いものがあります。キュビズム的なデザインや、館内で一般の方に投票してもらったりと、アートコミュニケーターならではの試みも良かったなぁと思います。(MEさん)
・夜の長良川を小舟に乗り、カッコ可愛く動き回るオロチくんの姿が今も浮かんできます。期を超えて「〜ながラー」同士が繋がることができただけでなく、地域の皆さんとも繋がることができ、充実感でいっぱいです。(MMさん)
・試行錯誤を繰り返しながら徐々にできあがる行灯は、日に日に愛着が湧く存在で、当日川面に浮かぶ姿は本当に誇らしく、かつちょっぴり淋しく感じました。脈々と引き継がれる活動に携われて良かったです。(IMさん)
・今年は中々参加できず、気付けばオロチが形になっていて皆さんのパワーに感動しました。当日は金華山を背に、長良川に浮かぶオロチを見て岐阜っていいなぁ!「〜ながラー」に出会えて良かった!と感慨深い気持ちになりました。(HRさん)
・昨年につづき2年目の参加です。今年はキックオフから段取り良く本番まで進める事が出来きたように感じます。メンバーの色んな角度からのアイデアが集結して、素敵なオロチ君に完成したのだと思います。(IMさん)
・オロチ君の制作段階では数回しか参加できず残念でしたが、本番当日は想像以上に豊かな楽しい時間だったことを思い出します。岐阜県の地域行事として地域の皆さんが楽しみにされていることや、毎年沢山のスタッフの方々が尽力されていることに感動でした。(MMさん)
・オロチ君が率いる舟の仄かな灯りが川面に映る光景には感動しました。しかし、その感動を生み出すには、関わった方々のお力が並大抵ではないことが近くで感じました。終わった後の片付けにも驚きました。(IJさん)
執筆:5期山本

















