こぐまのこぐ丸
「この舟のろう方式」による活動の記録を、「〜ながラー」の視点からふりかえり、アーカイブとして掲載します。
今回は「たのしいよ♪ びじゅつかん 絵本のよみきかせとちょこっとアート」の企画の様子をお届けします。
【活動期間】2024年4月~8月
【メンバー】
3期:北川理恵、中山みどり、松川万里子、武藤こずえ
4期:伊藤文子
5期:伊藤美陽、桐山日菜子、佐橋早苗、辻貴代
1、お子さんと一緒に楽しめるスポットに
この舟の活動のはじまりは2023年1月でした。
「お子さんのいるファミリーにも気軽に美術館に来ていただけるイベントを」「できれば定期開催で」との思いで、手探りながら何とか回数を重ね、1年を終えることができました。続く2024年もこのペースで続けられるかどうか、多少の不安はありましたが、3期メンバー+4期メンバーに加え、呼びかけに応じて集まった5期メンバーに勇気づけられ、再び出航。6~8月の間に3回の開催日を決めました。
2、前半は絵本の読み聞かせ
いろいろな場所で行われている絵本の読み聞かせを、美術館でやる意義はあるのか?との問いかけは当初よりありました。導入を読み聞かせにすることで気軽に参加できるのでは、との思惑が当たり、毎回申し込みは早い段階で満席になりました。
大型絵本を活用し、メンバーが表情豊かに読み聞かせつつ、お子さんとのやりとりを楽しみました。
楽器を使用した手遊びも好評で、たくさんの笑顔が見られました。
回を重ねるうち、お子さんが自由気ままにすごしていても楽しい雰囲気が続くイベントに成長しました。
3、メインは後半のちょこっとアート。1回目「みえる人・みない人」
美術館に来ていただくからには、アートを楽しんでいただきたいとの思いから、毎回、工夫を重ねました。
6月は「みえる人・みない人」と題し、ACルームでの活動を行いました。
山本芳翠《浦島》とルドン《神秘的な対話》のパネルを用いて、2チームに分かれて描かれているものとその印象について語っていただきました。
みえるチームの語る絵の様子を聞きながら、みないチームがイメージを思い浮かべた後、実際に絵を見て感想を交換しました。
見て感じたことを言葉にする、聞き取ったことをイメージする、難しさや面白さを味わうことができました。
4、2回目「対話型鑑賞」
鑑賞イベントを企画しているおしゃべり鑑賞丸さんとのコラボ企画として、《模刻 モーゼ》と、天野裕夫《重厚円大蛙》の2つの彫刻を鑑賞しました。
おしゃべり鑑賞丸さんの、お子さんを楽しませる工夫により、大人にはない子どもの発想を引き出していて、さすが!とこぐ丸メンバーも感心しきりでした。お子さんのどんなコメントにもきちんと向き合っていただけた、と保護者の方から感謝の言葉をいただきました。
5、3回目「第5回ぎふ美術展」鑑賞
「第5回ぎふ美術展」鑑賞は夏休み開催ということもあって、小学生のお子さんがほぼ半数でした。メンバーは動きの大きいお子さんへの対応に緊張しつつ、お子さんとのやりとりの中から、いつもと違う手応えを感じました。
お子さんの様子はさまざまで、静かに絵に見入るお子さんや、たくさんのきょうだいでにぎやかに鑑賞するお子さん、三輪車型のベビーカーで飛び入り参加してくれたお子さんなど、アテンドしたメンバーもそれぞれが臨機応変に、美術館スタッフの力を借りながら、安全で楽しい鑑賞を心がけました。
6、全3回を終えて メンバーの感想
・どの回も「まずわたしたちが楽しむ!」をモットーに、ヘルプの~ながラーさんの助けを借りつつ、子どもさんたちからは笑顔とパワーをいただきました。振り返ってみて、こんなに多くの方にかかわっていただいたことを知りました。参加してくださったみなさん、サポートしてくださったみなさん、本当にありがとうございました!新しく作った「さんかカード」や、マンドリン演奏など、今年らしい新鮮さがいっぱいの、楽しい活動になりました。(3期 松川)
・第1回、第3回に参加させていただきました。3期のみの活動から4,5期の方が参加してくださり、おしゃべり鑑賞丸さんとコラボさせていただき、「〜ながラー」の環境があっての活動の成長ができたことを感じさせていただきました。3回目に4人のお子さんを連れて参加いただいた方から、「一人では美術館には来れなかった!このような活動があり美術館を子ども達と楽しむことができたことが嬉しいです」と言葉をいただきました。
こぐまのこぐ丸の活動の本質が伝わってきたと感じました。
仲間や職員の方々の陰の努力のおかげさまですが、自分が一番楽しむ!!ができました。ありがとうございます。(3期 北川)
・第2回、第3回に参加させて頂きました。
実は「〜ながラー」に応募させていただいた時から、こぐ丸さんの活動に非常に関心がありました。そして実際に参加させて頂き、自分自身も楽しみつつ、さらに勉強していきたい!と強く思いました。
特に3回目では、自分がアテンドする立場となり、わくわくしつつも、もっとこうすれば良かったと反省も多々ありました。けれど、実際にお母さんたちとお話をし、改めて、こぐ丸の活動を続けたいなぁと思いました。
参加させて頂きまして、ありがとうございました。(5期 伊藤)
・第2回、第3回に参加させていただきました。美術館がどんな人に対しても開かれた場所であるということが、活動を通して実感できましたし、大切なことなのだと感じることができました。
これからも、美術館と地域をつなげる活動を続けていきたいという気持ちが強くなりました。(5期 佐橋)
・第1回、第2回に参加させていただきました。参加してくださった方は、美術館が好きな方、親子で参加できるからと参加して下さった方、きっかけは様々ですが、皆さん楽しそうに笑顔で楽しむ様子に、私も本当にうれしくなりました。こぐ丸さんに参加できて、有意義な時間を過ごすことができました。そして、この感動をこれからも繋いでいきたい、そう強く感じました。(5期 辻)
・みなさんのサポートのおかげで自分自身も楽しみながら活動できました。毎回、読み聞かせする絵本や『ちょこっとアート』の内容を変えることで『また岐阜県美術館へ行きたい!』そんな気持ちにさせるこぐ丸の活動でした。もっと子どもと一緒に美術館を楽しむ家族が増えるといいな~!(4期 伊藤)
・全3回参加 「自分たちが楽しむ」参加者のみなさんとアートを鑑賞した時間。自分が一番楽しんでいたかも。絵本を読み聞かせしている時も子どもたちのキラキラした目や反応を楽しんだし、小さい子たちの仕草や瞳に癒されました。もちろん舟の仲間との活動、4期・5期のメンバーが積極的に参加して下さったのも楽しかった。マンドリンの演奏、ミックスジュースの歌、鉄琴の演奏、参加カード、メンバーが得意な事・今できる事を考えながら参加者に楽しんでもらおうとしているのが、みんなで舟を漕いでいると感じました。(3期 中山)
このメンバーでの活動はいったん終了となりますが、私たち自身が活動を通じて得た経験を、今後に生かしていけたらと思います。
執筆:「~ながラー」北川理恵・中山みどり・松川万里子(3期)、伊藤文子(4期)、伊藤美陽・佐橋早苗・辻貴代(5期)
**各実施日参加状況**
⚫︎活動日時:2023年6月13日(木)10:30~11:30
ちょこっとアートの内容:みえる人・みない人
参加者:15名(大人:7名、子ども:8名)
担当「〜ながラー」:9名 烏野・北川・中山・松川(3期)、伊藤・斎藤・高橋・山崎(4期)、辻(5期)
⚫︎活動日時:2023年7月28日(日)10:30~11:30
ちょこっとアートの内容:対話型鑑賞
参加者:14名(大人:7名、子ども:7名)
担当「〜ながラー」:13名 岸・中山・松川・武藤(3期)、伊藤・王田・鈴川・斎藤(4期)、伊藤・岡田・桐山・佐橋・辻(5期)
⚫︎活動日時:2023年8月22日(日)10:30~11:30
ちょこっとアートの内容:第5回ぎふ美術展鑑賞
参加者:14名(大人:5名、子ども:9名)
担当「〜ながラー」:6名 北川・中山・松川(3期)、伊藤・佐橋・森下(5期)