開催概要
- 開催日
- 2024年5月19日(日)
- 開催時刻
- 14:00~15:30(90分)
- 会場
- 岐阜県美術館 多目的ホール、展示室2
- 対象展示
- 「線・面・痕跡-安藤基金コレクション:20世紀の美術から」
- 対象作品
- 元永定正《せんとあかいろのかたち》1987
- 猪熊弦一郎《スクエア・イン・ザ・ウォーター》1970
- 白髪一雄《地魔星雲裏金剛》1960
- 参加人数
- 11名
「線・面・痕跡-安藤基金コレクション:20世紀の美術から」の展示作品を鑑賞して《Such Such Such》を体験するプログラムを行いました。
内容
○オリエンテーション
オリエンテーションでは、本日の活動内容と流れについて確認しました。また、日比野克彦アートコミュニケーション作品《Such Such Such》について説明をしました。
アートツアーは今日初めて会う方々と一緒に作品鑑賞を行います。何をどう感じたのか、感じたことをどのように伝えても大丈夫と安心感を抱くことができるようグループごとに自己紹介を行いました。一人ひとつコネクターボックスをもってツアーに出発しました。
○アートツアーのスタートです
グループごとに作品の前に集まり、じっくり作品を鑑賞した後、気づいたこと、感じたことを思いのままに言葉にしました。
「いろんな形があるよ。しずくでしょ、草でしょ、ゴーヤみたいな形もあるよ。」
「階段がつながっていて、下に下に行く感じがする。」「クリームチーズを塗ったみたい。ブルーベリージャムかな、ラズベリージャムかもしれない。」と感じたままを言葉にしました。グループのメンバーもうなずいたり、相づちをうったりして聞きながら様々な感じ方に触れました。
○感じた思いを大切にコネクターを選びます
作品の前では、作品を鑑賞して感じたことを「言葉」で表現したあとは「もの」におきかえて表現しました。「もの」のことをコネクターとよび、ひとつの作品を見たらその作品から感じ取った自分の「感じ」に近いコネクターを選びました。
今回のコネクターは次のようです。
元永定正《せんとあかいろのかたち》→花札
猪熊弦一郎《スクエア・イン・ザ・ウォーター》→電気・電子部品、機械類
白髪一雄《地魔星雲裏金剛》→時間の経過、歴史を感じられるもの
作品から感じ取った「感じ」とどのコネクターがぴったりくるのか自分の気持ちを探りました。
「赤い色と黒い色のバランスと配置。まさにこれだと思って花札を選びました。」
「何かなんだかわからないものがひしめき合って並んでいる感じがぴったり!」
「ドロドロの感じがごつごつした石の感じと重なり合いました。」
コネクターを選んだ理由も一人一人の感じた「感じ」によって様々で、グループの仲間と交流しました。
○スケッチで色、形に表します
多目的ホールに戻り、作品を見たときに抱いた「感じ」を大切にして選んだコネクターを見つめ、自分の感じた思いを大切にスケッチに表しました。今回はスケッチをした後に、6つに切り分け、コラージュによる再構成を行いました。そうすることでより強く感じた思いを表現しようと「向き」「位置」「組み合わせ」を考え、試し、見つめ、表現することができました。
○スケッチをもとに交流します
どんな思いでスケッチを行ったかグループで交流をしました。鑑賞時の発言を思い出しながらスケッチを見合うことで、うなずきながら話を聞く様子もありました。全体での交流は、グループの代表が鑑賞した時に感じ取った思いや、スケッチに表した思いなどを話しました。
○コラージュの紹介
参加者の声(アンケートから抜粋)
・感じたことを絵に表現するっていうのは、こんなに心が楽しくなるんだと思いました。心が洗われた感じです。ありがとうございました。
・みんなの想いが伺えて新発見できました。もっと時間が欲しいです。じっくり味わいたいです。
・アートは好きですが自分で描く機会(しかも時間内に)は、なかなかないので、よい機会になりました。
・年代の違う子と一緒に回って、本当に気付けなかったような感じを知ることができてうれしかったです。
スタッフの振り返り
・最初に発した思いが対話(交流)を通じて変化していく様子が見られた。対話によって新しい感情が生まれているように感じた。
・子どもたちの発想力に驚かされた。発言することでどんどん心が解放されているように見えた。また、発言を聞いてくれるメンバーの存在によって自信をもって表現活動に取り組むことができていた。
・画材が複数ある中で、選択して表現できたことは、感じたことを表す幅を広げたように思う。感じたことをどのような画材や方法で表現していくとよりよく表現できるのか今後さらにアイデアを出していきたい。