開催概要

開催日
2021年8月1日(日)
開催時刻
14:00~15:30(90分)
会場
岐阜県美術館 講堂、多目的ホール、展示室1、2
対象展示
「土の造形-特集・伊藤慶二」、「精霊たちのいるところ〜アボリジニの美術〜」、「寄贈記念 守 洞春展」、「20世紀の美術」
対象作品
伊藤慶二《HIROSHIMA-証》2006年
マギー・ナパンガディ・ワトソン《ガリピ・ジュクルパ(ヘビブドウのドリーミング)》1993年
守 洞春《霊魂不滅》1972年
ルイーズ・ネヴェルスン《ミラー・シャドーXIV》1985年
参加人数
12名
所蔵品展「土の造形-特集・伊藤慶二」、「精霊たちのいるところ〜アボリジニの美術〜」、「寄贈記念 守 洞春展」、「20世紀の美術」の作品を鑑賞して《Such Such Such》を体験するプログラムを行いました。

ツアーの流れ

ツアーの目的や内容を確認!

いつもオリエンテーションを行う多目的ホールの一部が、8月7日から始まる「ぎふ美術展」の立体作品展示会場となっているため、講堂で行いました。
日比野克彦館長のアートコミュニケーション作品《Such Such Such》の流れ等を確認し、ツアースタートです!

密回避など、感染対策も心がけています!

まずは自己紹介!

ツアー中、一緒に交流してまわるグループメンバー同士で自己紹介をしました。ナンヤローネアートツアーは、作品を鑑賞することだけが目的ではなく、自分が感じた「感じ」を他の人と交流することで、自分の「感じ」を確かめたり、人の感じ方から見方や考え方を広げたりして、人と人とがつながることを目指します。

そのためにもお互いを知ることを大切にしています。

まずは自己紹介!

コネクターボックスをもって鑑賞スタート!

いろんな角度から作品をじっくり鑑賞!

近づいたり離れたりしてじっくり味わいます!

《Such Such Such》は3つの作品を順番に鑑賞し、自分が感じたことを気軽に交流します。作品の知識が無くとも誰でも参加できるのがその魅力で、今回も小学生のお子さんと大人の方が一緒に対話し、様々な感じ方を深めました!

自分の「感じ」に近いコネクターを選びます!

たくさんのコネクターの中から1つ選びます!

最後の作品を鑑賞し終えると、コネクターボックスには3つのコネクターが残ります。

鑑賞した作品と、作品から自分が感じたことを「結びつけるもの」を「コネクター」とよびます。
「こんな感じがするなぁ」「これが近いかな」とじっくり考え、1つの作品に対して1つのコネクターを手に取り、コネクターボックスに入れていきました。
「せーの!」で指をさして選んだコネクターは、意外と他の人の指さしたものと重なることが無く、同じ作品を鑑賞しても感じ方やとらえ方が違うことを楽しみながら活動しました!

3つのコネクターをもとにスケッチします!

多目的ホールの一角でスケッチ!

みなさん集中して描いていました!

3つのコネクターを見て、作品を見たときの「感じ」を思い起こしながら色鉛筆でスケッチをします。最初は「何を描こう…」と言っていた参加者も、じっくり考えているうちに、手が動き始めます。頭の中でイメージがふくらみ始めると、「もう少し描きたい!」と、夢中になって描いている姿が印象的でした!

スケッチをもとに交流しました!

交流会の様子

交流会の様子

グループごとに描いたスケッチをもとに交流した後、一度席を立って全員のコネクターとスケッチを見てまわりました。ほかの人はどんな風に「感じた」のかな?
同じ作品を鑑賞しても、選んだコネクターもそこからイメージして新しく生まれた作品(スケッチ)も、自分と全く違うことにたくさんの驚きがありました。

参加者の声(アンケートから抜粋)

・家族とか楽しいイメージを感じました。幸せを願って毎日描くもののように守り神、そして広島の焦土と化したところ、先祖の上に悲しい人との別れ。新しい家族が広がっていくイメージを描きました。
・ヘビが笑っているように見えて優しい感じがしたので、優しい感じの丸い表現をしました。
・何人かの人と同じ作品を見て感じ合うこと「感じ」が発展することは楽しい体験でした。ありがとうございました。
・コネクターに例えることで、言葉にならない感情を表現することができてよかった。
・自分の感じたこと、考えたことが、他の方の考えを聞くことによってどんどんふくらんでいって、更に他のことにも気付ける、という良い連鎖ができて、楽しかったです。
・一人で《Such Such Such》をするよりも、交流したことで選ぶコネクターも変化したと思うので、交流できてよかったです。
・3点を40分で観るというのは長いかと思いましたが、あっという間でした。観え方がこんなに違ったり、同じだったりするのかと、発見がありました。

スタッフの振り返り

4つの所蔵品展の各展示室を使いながら、多くの作品を鑑賞し、楽しんでいただくことができました。参加者の年代も、5歳のお子さんから60代の方まで様々でしたが、自分が感じたことを自由に発言し、様々な感じ方があることを学び合う姿がありました。

今年度のナンヤローネアートツアーは、新型コロナウイルス感染拡大の状況により、オンライン開催に変更して実施してきましたが、ようやく館内で参加者の方と一緒に活動することができました。ぜひみなさんも、岐阜県美術館で《Such Such Such》を体験してみてください!