開催概要
- 開催日
- 2024年1月21日(日)
- 開催時刻
- 14:00~15:30(90分)
- 会場
- 岐阜県美術館 多目的ホール、展示室3
- 対象展示
- 「走泥社再考 前衛陶芸が生まれた時代」
- 対象作品
- 八木一夫《歩行》1957年
- 山田光《1の周辺》1976年
- 三輪龍作《LOVE》1969年
- 参加人数
- 8名
「走泥社再考 前衛陶芸が生まれた時代」の作品を鑑賞して《Such Such Such》と粘土を使ったスケッチを体験するプログラムを行いました。
ツアーの流れ
ツアーの目的や内容を確認
オリエンテーションでは、日比野克彦館長のアートコミュニケーション作品《Such Such Such》の流れを確認した後、対象展示の概要についての簡単な説明をしました。
「走泥社」とは何か、「前衛」ってどういう意味?
展覧会について少し理解を深めた上でツアーに臨みます。
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今日の仲間は誰かな?
ツアーに出かける前に一緒に活動するグループメンバー同士で自己紹介をしました。
アートツアーは作品を見て感じたことや思ったことを交流することで、自分の「感じ」を確かめたり他人の感じ方から見方を広げたりすることを目的としています。
そのため、気軽に発言できるようグループの人のことを知っておくことはとても大切です。
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コネクターボックスをもって鑑賞スタート
《Such Such Such》は3つの作品を順番に鑑賞し、自分が感じたことを気軽に言葉にし交流します。
「わざときれいな形を作らなかったり、きれいな色なのにドロドロした気持ちを感じたりして相反する気持ちを感じる。」「空洞の部分はおなかがすいているようだ。」「数字が出たり入ったりして動いている感じがする。」
参加者の皆さんは、作品を鑑賞して思ったことや感じたことについて思い思いに語っていました。
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自分の「感じ」に近いコネクターを選びます
鑑賞した作品と、作品から自分が感じたことを「結びつけるもの」を「コネクター」とよびます。
作品を鑑賞した時の気持ちを確認しながらコネクターを選び、コネクターボックスに入れます。
今回のコネクターは次のように設定しました。
八木一夫《歩行》→「自然」「生命」→木、木製品、木の実
山田光《1の周辺》→「集合体」「堆積」→糸、布、布製品
三輪龍作《LOVE》→「相反する」「異質」→トランプ
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3つのコネクターをもとにスケッチします
集めたコネクターを見て、作品を見たときの「感じ」を思い起こしながらスケッチで表現します。
「走泥社再考」はやきものの作品展示です。やきものは土(粘土)から作られています。自由に形を変えることができる粘土の可塑性を生かしてスケッチに挑戦!
白い粘土の板の上に、三つの色の粘土を使って自分の「感じ」を表現します。
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スケッチをもとに交流しました
グループごとに交流した後、席を立って全員のコネクターとスケッチを見てまわりました。
その後、各グループの代表者にコネクターとスケッチについて話をしていただきました。
同じ作品を鑑賞しても、コネクターも作品(スケッチ)も、全く異なるところが面白いですね。
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スケッチの様子
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参加者の声(アンケートから抜粋)
・いろんな感覚を刺激されてとても楽しかったです。子供の自由な発想にも驚かされました。子供と創作できて楽しかったです。
・グループの方、グループナビゲーターの方も子供をあたたかく受け入れ見守ってくださりとてもありがたかったです。
・いろいろ話をして、予想外の発見がありました。考えを人と話し形にすることが楽しかったです。
・自分が思うこと感じたことを利害なく聞いてもらえることが、とても安心するようなカウンセリングされているような感じでいい機会だなと思いました。
・作品の解釈が人によって違うことを知ることができて楽しかったです。アウトプットの粘土でのスケッチは絵に描くよりも楽しく取り組めました。
スタッフの振り返り
・選出した作品について、想像を膨らませながら話す参加者の姿が多く見られた。
・小さなお子さんの参加があったが、鑑賞のペースやコネクター選びのタイミングを変更するなど臨機応変に対応できた。
・粘土の感触を楽しみながら制作に集中する参加者が多くあった。制作の時間を5分延長したが、それでも時間が足りないように感じた。制作時間がもう少し確保できるとよかった。
・スケッチに使用した粘土は、小さなお子さんでも簡単に貼り付けることができるものでよかった。