開催概要
- 開催日
- 2024年2月25日(日)
- 開催時刻
- 14:00~15:30(90分)
- 会場
- 岐阜県美術館 多目的ホール、展示室1
- 対象展示
- 「フランスに渡った日本人」
- 対象作品
- 北 蓮蔵《コンセルジュ》1929
- 荻須高徳《モンマルトルの食料品店》1956頃
- 赤塚一三《山懐の蝶》2023
- 参加人数
- 14名
「フランスに渡った日本人画家」の展示作品を鑑賞して《Such Such Such》を体験するプログラムを行いました。
内容
◯オリエンテーション
オリエンテーションでは、本日の活動内容と流れについて確認しました。また、日比野克彦アートコミュニケーション作品《Such Such Such》について説明をしました。
アートツアーは今日初めて会う方々と一緒に作品鑑賞を行います。何をどう感じたのか、感じたことをどのように伝えても大丈夫と安心感を抱くことができるようグループごとに自己紹介を行いました。一人ひとつコネクターボックスをもってツアーに出発です!
○アートツアーのスタートです
グループごとに作品の前に集まり、じっくり作品を鑑賞した後、気づいたこと、感じたことを思いのままに言葉にしていきます。
「目の前にはきっと何かがあって、じっとその様子を見つめているように感じる。」
「人魚姫のお話に出てきそうな場面に見えるよ。」「細かなところまでつくられているおもちゃの家じゃないかなって思った。」と感じたままを言葉にしました。グループのメンバーもうなずいたり、相づちをうったりして聞きながら様々な感じ方に触れました。
○感じた思いを大切にコネクターを選びます
作品の前では、作品を鑑賞して感じたことを「言葉」で表現してきました。次は「もの」で表現していきます。「もの」のことをコネクターとよびます。ひとつの作品を見たらその作品から感じ取った自分の「感じ」に近いコネクターを選びます。
今回のコネクターは次のようです。
北 蓮蔵《コンセルジュ》→日本らしさを感じるもの
荻須高徳《モンマルトルの食料品店》→フランス各地がおさめられた写真
赤塚一三《山懐の蝶》→染色和紙
作品から感じ取った「感じ」とどのコネクターがぴったりくるのか自分の気持ちを探っていきます。
「作品の色合いがあまり明るくなかったので冬らしいフランスの風景を選んだ。」
「深い湖の底のような濃い青色の和紙にした。」
「表情がなんとなく似ているからタヌキにした。」
コネクターを選んだ理由もグループの仲間と交流しました。コネクターを選んだ理由も一人ひとりの感じた「感じ」によって様々です。
○スケッチで色、形に表します
多目的ホールに戻り、作品を見たときに抱いた「感じ」を大切にして選んだコネクターを見つめ、自分の感じた思いを大切にスケッチに表していきます。今回は選んだフランスの写真や染色和紙を貼り付けてスケッチとコラージュを行いました。写真のレイアウトを考えたり、和紙を加工して組み合わせたりと、表現の手順も工夫も様々です。スケッチを通して自分の感じたことをのびのびと表しました。スケッチの最中でも、グループの仲間と表現について交流する姿が見られました。交流によって表し方がどんどんと広がっていくように感じました。
○スケッチをもとに交流します
どんな思いでスケッチを行ったかグループで交流をしました。その後、他のグループのコネクターやスケッチを見学しました。同じ作品を鑑賞していたのに誰一人として同じように表現している人がいないことに深くうなずきながら感心している姿が見られました。全体での交流は、グループの代表が作品を鑑賞した時に感じ取った思いや、コネクターを選んだ理由、スケッチに表した思いを話しました。
○スケッチの紹介
参加者の声(アンケートから抜粋)
・作品を前に、皆で色々話すだけでも楽しく、さらにイメージを膨らませ、迷うコネクター選びや最後に作品をつくることで、より充実感がありました。楽しかったです!
・初めての体験でとても楽しかったです。絵をみる機会はありますが、そこから感じたことを絵にすることの楽しさを体験できました。
・言葉にならないところを言葉にする、形にできないものを色や形にすることは「おもしろい」と分かった。
・みんな違っていて楽しいツアーでした。いい刺激になりました。
スタッフの振り返り
・選んだコネクターを表現に生かすことで表現しやすくよかった。
・展示室内で見て感じていたことと、ホールで資料を見て感じたことに違いがあるように感じました。作品との距離感が影響しているように思うので、作品の前に集まる見方だけではなく、見方を工夫していくことも今後よいのではないかと思います。
・机の上が狭くなるため、手荷物の整理やコネクターボックスの配置などを考え、表現しやすい環境を整えたい。