開催概要
- 開催日
- 2020年7月5日(日)
- 開催時刻
- 14:00〜15:05(65分)
- 会場
- 岐阜県美術館 アトリエ〜庭園
- 対象展示
- 野外彫刻
- 対象作品
- 〔ABCグループ〕
- 天野裕夫《バオバブ・ライオン》/小清水漸《アララトの舟》/林武史《立つ人―月見台》
- 〔DEFグループ〕
- 大成浩《風の影 No.1》/榎倉康二《壁》/ピエール=オーギュスト・ルノワール《勝利のヴィーナス》
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今回はアトリエから出発!
令和2年度最初のアートツアーでは、美術館の庭園にある野外彫刻を鑑賞して《Such Such Such》を行うツアーを開催しました。
ツアーの流れ
グループを作って作品を鑑賞する
この日はアトリエから6つのグループに分かれてアートツアーに出発!
「3密」回避を考慮して、当館の庭園を会場に、野外彫刻をじっくり鑑賞するツアーです。ABCグループとDEFグループでそれぞれ別々の3作品を鑑賞し、感じたことをグループ内で交流します。
それぞれの作品のお気に入りの角度を見つけたり、登って鑑賞できる《立つ人ー月見台》では足元の感覚を確かめたりと、いつも以上にアクティブな鑑賞でした。
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ルノワール《勝利のヴィーナス》を鑑賞
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天野裕夫《バオバブ・ライオン》を鑑賞
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林武史《立つ人―月見台》を鑑賞
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大成浩《風の影 No.1》を鑑賞
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榎倉康二《壁》を鑑賞
コネクターを選ぶ
作品から浮かんだイメージや感じた気持ちに近いと思うコネクターを選びます。今回のコネクターはいろいろな形に切ったカードです。
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3点の作品ごとにコネクターを選ぶ
選んだコネクターからタイトルをつける
選んだ3枚のコネクター(カード)を通して、作品を鑑賞した時の気持ちを思い出しながらタイトルをつけます。
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3枚のコネクター(カード)からタイトルを考える
グループごとでタイトルを交流し合う
同じ作品でも人によって見方・感じ方は様々。
他の人の付けたタイトルを聞いて、自分では気付かなかった作品の見方や新しい発見が生まれます。
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タイトルをもとに交流する
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日比野館長が飛び入り参加
日比野館長が急遽参加!
今回のツアーで使用したコネクターのカードは参加者にプレゼント。
日比野館長は、家に帰ってそのカードを見た時に感じる思いは自分だけの素敵なものだよ、と「感じる心」の大切さや今回のアートツアーの価値について語りました。
作品を鑑賞して
- 《バオバブ・ライオン》は、何かが生まれてきそうな感じがしたよ。
- 《アララトの舟》は、接地面がとても小さくて驚いた。バランスをとっている様子を見ていたら、自分の人生でいろいろ迷ったり悩んだりしていることと重なって感じられてきた。
- 《立つ人―月見台》は、ゆらゆら揺れて楽しいし、石に穴が開いていたり、石と石の隙間があったりするところが面白いと思ったよ。
- 《勝利のヴィーナス》の左手の布は戦い、右手のリンゴは戦いの後の勝利のリンゴではないか。布は体の後ろ側、リンゴは前にあるので、時間の経過があるように感じる。
- 《壁》のこちら側ではいろいろな音が聴こえるが、向こう側では無音になる。作品と空間とで『静と動』を表しているようだ。
- 《風の影No.1》を見て、風というものは普通目に見えないものだけど、どんな意図で付けたタイトルか知りたいと思った。風は横に吹くけれど、縦長の形なのも不思議な感じがする。
参加者の声(抜粋)
「一人で作品鑑賞するよりほかの人と会話しながら、作家さんのことを知りながら鑑賞したほうが、より深くその作品が味わえると思いました。」
「頭の体操みたいで楽しかった。ハテナがいっぱい!」
「美術館の庭を歩いたことがなかったので、イメージしながら見て歩くのが楽しかった。ほかの方のイメージを聞けるのもおもしろかった。大人と子どもが一緒に意見交換できるのはなかなかなくて、いい機会だった。」
「あらためてじっくりと彫刻が見ることができたので楽しかった。ほかの人と話しながら見ることで、自分がなんとなく感じたことを言葉にできたものよかったし、カードのようなコネクターもそれを説明することにより改めて自覚できて、おもしろかったです。」
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スタッフの振り返り
昨年度2月23日の円空大賞展アートツアー以来の開催となり、参加者、スタッフともに感慨深いツアーになりました。
庭園の野外彫刻は、日ごろ見慣れているようでも作品として認識していなかったり、いろいろな見方、感じ方があることを知るよい機会になったようでした。
参加者からは、「コネクターのカード」や「タイトルを考えること」は、いつものコネクター選びやスケッチに比べて取り組みやすかったという感想が多くありました。感染拡大防止の対応策でしたが、今後のアートツアーの一つの方向を示すものだとも考えられそうです。