開催概要

開催日
2025年1月19日(日)
開催時刻
14:00〜15:30
会場
岐阜県美術館 多目的ホール、展示室2
対象展示
IAMAS ARTIST FILE ♯10 繭/COCOON:技術から思考するエコロジー
対象作品
・florian gadenne + miki okubo《L’Arbre-Monde》(2024)
・西脇直毅《赤色のへびとネコ》(2023)
・石橋友也、新倉健人、吉田竜二《バベルのランドスケープ》(2023)
参加人数
21名

展示室2で開催されている「IAMAS ARTIST FILE ♯10 繭/COCOON:技術から思考するエコロジー」の中から3つの作品を選択して対話型鑑賞を実施しました。また、《Such Such Such》の手法を取り入れ、鑑賞して感じたことを「もの」(コネクター)に置き換えて表現し、それをもとにスケッチを行いました。そして、スケッチの中から最も印象的な部分を切り抜き、缶バッジにして、アートツアーの思い出として持ち帰りました。

プログラムの流れ

参加者は4つのグループに分かれて活動しました。

オリエンテーションでアートツアーの説明とグループリーダーを紹介し、グループ内での自己紹介をしました。その後、ツアーの流れと鑑賞の約束を確認し、展示室2で実施しました。

アートツアーでは、上記3つの作品についてグループで対話型鑑賞を行ったのち、《Such Such Such》の手法を取り入れ、作品を見て感じたことを「もの」に置き換えました。今回は下記の「もの」です。

触感を活かすカード

カラータイル

どんぐりの焼き物(作家作品)

細部まで見つめると発見がある作品や一枚の絵画作品に非常にたくさんの生き物が描かれているもの、常に動く映像作品が今回の対象作品で、それぞれが見て感じたことや考えていたことを作品の前で交流をし、次のような話が聞こえてきました。
「重なる円は太陽を感じて、渦巻き模様は風や空気の流れを感じ、自然の世界を感じた」
「本来の大きさとは違うサイズで描かれているので不思議な世界に感じる」
「漢字が山になって崩れる様子が、大垣の川の流れを想像した」

対話型鑑賞をもとに、作品から感じたことをコネクターに置き換え、その理由を述べあって交流しました。コネクターを選んだ理由を話す中で、作品から感じたことがよりはっきりしてきているようでした。

3つのコネクターが揃ったところで、多目的ホールに戻り、コネクターをもとにして、色鉛筆でスケッチをしました。作品の色や形から表したり、3作品に共通する「生命力や場所が持つ魅力」を感じたことを表したりしました。

最後に描いたスケッチから、一番自分の感じたことが表れている部分を選んで切り抜き、缶バッジにしました。今日考えたことや感じたことをバッジにして持ち歩き、いつでもアートツアーで体験したことを思い出せるようにしました。

参加者の声(アンケートから抜粋)

・見るだけでなく対話をしたり、イメージしたものを選んだり、とても楽しめました。子どもと美術館、初めてでどう反応するか心配していましたが、楽しんでいて嬉しかったです。
・作品をじっくり見る時間があり、他の人と話すことで自分の作品に対する見方が多層化する体験ができた。
・いろいろなアート作品が観られて面白かったです。感じたことを缶バッジにして持って帰れるのも思い出になりよかったです。
・美術館の作品を見て感じたことを話し合う機会は今までなかったので、子どもにとってもよい刺激になりました。このまま続けて欲しいです。
・コネクターを選んで絵に描いて、一番いいところをバッジにできて、とてもよかったです。

スタッフの振り返り

・触覚を生かしたり、粘土で作品をつくったり、体験的なアートツアーになった。
・突然参加した場合でも楽しめる仕組みになっていて、参加者全員が楽しむことができていた。
・スケッチを行い、その中から最も感じたことが表れている部分を選択し、缶バッジにするということで、工程が多く、ツアーを振り返るような時間がもてなかった。