春になると梅、桜、藤など花々が次々と咲きます。春は色にあふれ、生にあふれる季節です。本展では、出品作の荒川豊藏《志野茶碗 銘早春》や《志野筍香合》から早春を、稗田一穂《春野》や川合玉堂《藤》から春の盛りを感じとることができます。穏やかな春を過ぎれば、季節は緑鮮やかな夏へと移ります。夏の風物詩、鵜飼の絵を数多く残した川合玉堂の作品から選んだのは20歳の時に描いた《藍川漁火図》。見た目に涼やかなクリスタルガラスを用いた各務鑛三《瓢型花器》。作家たちが見つめ表現した春から夏の風物詩を当館の名品から紹介します。