所蔵品展「いろとかたち−立体・工芸を中心に」や「鯉江良二 紙のしごと」の作品を鑑賞して、
日比野克彦アートコミュニケーション作品《Such Such Such》を体験するプログラムを行いました。

開催概要

開催日時 2022年9月4日(日) 14:00~15:30(90分)
会  場 岐阜県美術館 多目的ホール、展示室2
対象展示 「いろとかたち−立体・工芸を中心に」「鯉江良二 紙のしごと」
対象作品 鯉江良二《ミネアポリスの光と影》 2008年
三浦景生《夢談議Ⅶ》 2003年
岩田藤七《貝》 1976年
土屋順紀《紬着物「日月」》 1991年
参加人数  9名

内容

○はじめに

ナンヤローネ アートツアーを始めるにあたり、日比野克彦アートコミュニケーション作品《Such Such Such》について、美術館スタッフの説明を聞き、理解を深めます。

○ツアー開始−まずは自己紹介


作品鑑賞の前に、グループリーダー(美術館スタッフ)が各参加者に声かけをしながら、「お互いを知る」場をつくります。

○展示室へ移動−作品鑑賞

対象作品の展示場所に移動し、作品鑑賞を通して印象深いことから感じたことをグループ内で交流します。
今回は暗室に展示された大きな作品から始まって、素材や技法の異なる作品の鑑賞を通して、様々な見方や感じ方を共有することができました。

暗い部屋で作品鑑賞・交流しました

人によって感じ方は様々です

○コネクター選び

作品鑑賞後は、コネクター(鑑賞作品と自分の感じた「感じ」とを結びつけるもの)が並べられたテーブルの前に移動します。
「こんな感じがしたな」「自分の今の気持ちに近いものはどれかな」と思いを巡らせながら、1作品につき1つコネクターを選びます。
ここでも選んだ理由や思いをグループ内で交流します。

選ぶ時間もアートツアーの醍醐味

3作品の鑑賞を経て、3つのコネクターが集まります

○鑑賞後、自分の感じた「感じ」をスケッチに


鑑賞後は多目的ホールへ戻り、コネクターを見ながら、グループ鑑賞で感じた「感じ」をふりかえりながら、色鉛筆でスケッチをします。
大人も子どもも、描き始めは戸惑いますが、勢いづくと時間を忘れスケッチに集中する姿が印象的でした。

○出来上がったスケッチを見ながら

スケッチをもとにグループ交流後、
テーブルに並べられたコネクターとスケッチを見ながら全体交流の時間をとります。
最後に各グループの代表者1名が、作品鑑賞やグループ交流で思ったことや感じたことを、コネクターやスケッチを紹介しながら思い思いの言葉で伝え、《Such Such Such》を通した豊かな鑑賞体験を参加者全員で共有しました。

コネクターとスケッチ

参加者の声(アンケートから抜粋)

・楽しいイベントで、老若男女みんなが参加できる素晴らしい体験でした。
・一緒に回った方々の素敵な意見が聞けて楽しかったです。

スタッフの振り返り

今回のアートツアーでは、展示空間の広さや暗さが際立つ作品が鑑賞対象だったこともあり、
参加者の鑑賞体験に良い刺激になっていたと感じました。

ツアー中の意見交流の盛り上がりを見ながら、
「他の人は、何を見て、どのように感じて、どんなイメージを描いたか」
スケッチ後の交流や発表を通し、見て・感じて・話して・聞くといった
アートの楽しみ方の一例を、参加者と共に想いを巡らせるひとときになりました。