こんにちは!
《#SuchatHOME》に挑戦してくださって、ありがとうございます。
ここでは、コネクターを選ぶときや、スケッチを描くときに、
「困ったな…」と、手が止まってしまった方のための
ヒントを紹介していきます。

絵を描くのが苦手でも、大丈夫!
一緒に感じることを楽しんでみましょう。

ヒント1. 作品をよく見る

作品をすみずみまで見て、考えてみてください。

・この虎は、何をしているところ?
・何か見ているのかな?
・手足や、尻尾の様子は?
・どんなところにいるんだろう?季節や、時間はいつぐらい?
・怖い?怖くない?どうしてそう思ったんだろう。
・この虎って、知り合いの誰かに似てる?

いろいろなことを見つけて、想像してみましょう。

たとえば、私は…。
この虎は、じっと遠くの方を見つめていますね。最初は「なにか獲物を狙っている?」と想像したのですが、よく体を見てみると、手足やしっぽはくったり力が抜けています。背景はどんよりとした曇り空で、岩や草の暗いかげに、隠れているのかもしれません。なんだか、ひとりぼっちで寂しそうな表情のように思えてきました。

…あなたはどんなことを想像しましたか?

ヒント2.  「感じ」を大事にもの(コネクター)を探す

コネクターには、自分と作品の「感じ」をつなぐ役割があります。
ヒント1で考えたことを思い出しながら、ものの特徴−色やかたち、手ざわりや思い出など−が作品のイメージに合うものを選んでみます。

このコネクターでは…。
まず最初に選んだのが、金色のブローチ。
触ると冷たくて、寂しいけれど凛としたイメージにぴったりでした。

次に、小さい銀のプレートと、モールのきれはし。
どんよりした背景と、ふわふわした毛並みの雰囲気をあらわしています。

フライ返しは、印象的な虎のまなざしから連想しました。
ぐっと集中して一点を見つめる線を、力強く表現するものです。
最後に、野生的な場所にいることも大切にしたくて、木の破片もいれました。

絵に描かれていることや、自分が考えたことを手掛かりに、身の周りの物のイメージとむすびつけています。

ヒント3.  スケッチでは、まずは手を動かしてみる


1本、好きなペンを手にとってみます。
「自分が感じていること」を思い出して、まずは手が動くのに任せてみましょう。
上手に描く必要はありません。予想もしなかったような表現が生まれることを、楽しんでみてください。

絵を描くのが苦手な人は、コラージュなどに挑戦するのもいいかもしれません。
詩、音楽、編み物など、自分が得意な方法で表現するのもいいですね。

このスケッチでは…。
はじめの赤い線は、「虎が見ていた物」のイメージです。
目を奪われるような、魅力的な色や動きがあったんじゃないかな、と想像しました。

何本も何本も線を重ねていくうちに、蝶のような、炎のような激しい動きがあらわれてきました。
もう一度作品を見たり、コネクターを触ったりしながら、自分の感じたことを色や形にしてみます。

ひとつひとつのものを選んだ瞬間を思い出して、「こんな感じだったかな?」と試すように描いています。
たとえば、虎のまっすぐな眼差しや、湖のように落ち着いた様子のイメージを描き込んでみました。

描いていると、虎と自分の視線が重なるように思えてきました。
虎の激しい気持ちを想像したり、自分の思い出と重ねてみたり…。
スケッチは、自分と作品の間につながりが生まれるのを、たくさん感じられる時間かもしれません。

いかがでしたか?

《#SuchatHOME》のおもしろいところは、「家にあるもの」を使って作品を見ていくこと。
普段目にしているものが、思いがけない方法で作品とつながるかもしれません。
家族やお友達とやってみると、「感じ方の違い」にきっと驚くはず。
ぜひみんなで楽しんで、できたスケッチは美術館に送ってくださいね。