【基礎ゼミ】第6回<会議が変われば社会が変わる>

【基礎ゼミ】第6回〈会議がかわれば社会が変わる〉

実施日:2022年6月25日(土)10:30~15:00
会場:岐阜県美術館 アートコミュニケーターズルーム
講師:青木将幸さん(会議ファシリテーター)
ウェブサイト:http://www.aokiworks.net
書籍:
『ミーティング・ファシリテーション入門 市民の会議術』(2021 ハンズオン埼玉!出版部)
オンラインでもアイスブレイク!ベスト50不慣れな人もほっと安心(2021 ほんの森出版)
共著:
地域×クリエイティブ×仕事:淡路島発ローカルをデザインする (2016 学芸出版社)

チームで活動を進めていくとき、ひとりひとりが主体的に関わる直接的な話し合いが重要です。ミーティングの理想的なスタイルや具体的な手法を実践的に学んでいきます。

グットミーティング

~ながラーとして活動していく中で、誰かと話し合う場面はたくさん出てきます。会議の中にちょっとした工夫を加えることで良いアイデアが生まれたり、お互いが良い関係性になっていきます。

まずは準備体操から始めました。心や体をほぐすための会議のまえのウォーミングアップです。(スポーツを始める時と同じ!)
みんなが知っている準備体操ということでラジオ体操をすることになりました。青木さんの合図で、音楽が無くともみんな揃ってラジオ体操を始めました。

いいね!会議

うなづく、あいづちなど賛同することが上手な人は場を温める空気を作ってくれるそうです。
周りの人も意見が言いやすくなり、提案がしやすくなります。

早速「いいね!会議」をやってみます。
どんな内容の実現不可能な提案でもかまわないので、3人のうちの誰かが提案をします。
それに対し残りの2人はどんな提案であっても「いいねえ!」と言ってあげます。

例えば…
「これからサーフィンに行こうよ!」→「いいねえ!」
といった具合です。
「いいね」の後にさらに提案を追加していきます。
→「せっかくサーフィンに行くならついでにスイカ割りをしよう!」
それに対して「いいねえ!」です。このように無限に会話は膨らんでいきます。

意識的な「いいね!」が飛び交うことで、自分の言葉を誰かが肯定してくれる安心感が生まれます。

 

グッドミーティング、バッドミーティング

「いいね!会議」の後は紙を半分に分け、グットミーティングと聞いて思い付くものを書き出していきました。
例、和気あいあいとした会議、お菓子が出る会議…

紙の残り半分にはバッドミーティングと聞いて思いつくものを書き出していきます。
例、時間通りに終わらない会議…

人によっては過去に自分の経験してきたバッドミーテイングについても思い出して書き出していく人もいます。

その後3人組をつくり自分の書いた内容を共有します。3人が共通してグッドミーティングだと思える項目に丸をつけます。
「合意」できる点を探すと、こんなミーティングにしたいですね、と理想的な会議の方向性を考えることができます。

グループで出たものの例としては
「まとめがしっかりしている」「始まりと終わりの時間が設定されている」「参加者がみんな笑顔である」「威圧的でなく、相手の反応がある」「みんなが発言している」「心に余裕があること」「意見を受け入れて納得していること」「資料がわかりやすい、可視化する」「テーマが楽しい」「目的がはっきりしている」などがありました。今後ミーティングを進める中で、それぞれから出たアイデアを意識します。

「個人で書いてから集団に話し合う」と、一人一人のアイデアが紙に残る良さがあります。

 

ミーティングの実践『今日ここにいる皆さんと話し合ってみたいコトは?』

可視化することを目的に午後はミーティングを進めていきます。

会議をするために、今日集まった〜ながラーと話したいお題を募集しました。まじめなお題から、こんな切り口から攻めました!というものまで集まりました。

「岐阜の観光地として人に勧めるとしたら」「かわいいって何?」「美術館の展示室内での会話について」「お金か愛か(〜ながラーは場所をとるか人をとるか)」など全12テーマの議題がでてきました。

自分が参加したいミーティングテーブルに集まり、15分の中で会議をします。午前中に上がったグッドミーティングの要素になるように意識して会議します。

用紙を準備し、ミーティングの内容を自由に書ける状況を作りました。
それぞれが付箋を使いながらグルーピングしたり分布図を作ると、可視化された画面は見た目にも様々なものがありました。

会議の回数を重ねることで15分間の時間の使い方が変化し、徐々に会議が上手になっていきます。

グッドミーティングを意識した場づくりを今後続けていけば、より良い話し合いのできる関係になっていくのだと実感することができました。

 

〜ながラーのふりかえり

・今までミーティングといえば、だらだら長くて、なかなか決まらなくて、つまらないイメージでしたが、そうじゃないミーティングにするコツがわかって、さらに実践もできてよかったです。

・15分という時間の中でミーティングをまとめまでもっていくのは、はじめはいつの間にか時間が終わっていた…!という感覚でいっぱいでしたが、だんだん何かのかたちでミーティングにオチをつける方法を見出だし始めました。

・青木先生のアドバイス「全員が意見を書いてから始める」「可視化」「タイムキーパー」などを心掛け、会議をスタートしたところ、さまざまな意見がうまく繋がり、自分が考え付かない方向に流れて行き、時間内にとても良い結論に至った。

・可視化する、みんなで発言する、そして提案に対して「いいねぇ」と肯定する、などといった簡単なことをするだけで、会議って良いもので、新しい発見を得られるものなんだなと感じました。

また、会議内容が飲み会などで行うような?、少々奇抜な内容のものもあり、とても新鮮でした。それをたったの15分で、しっかりと話し合って答えを導き出そうとするのが不思議で、その面白さと真面目さのギャップに内心ツボってしまいました。

スタッフノート

基礎ゼミ最終回。最後を締めくくるゼミは〜ながラーのこれからの活動への期待も高まっているようでした。これまでの基礎ゼミで学んだことを通し〜ながラー同士の交流も活発になり、楽しそうにお話しする姿が印象的でした。青木さんのグッドミーティングは内容も〜ながラーそれぞれが自分ごととして考えられる内容だったこともあり、「良い」ミーティングにするために自分たちが積極的に関わっていこうというエネルギーを感じました。これまでの基礎ゼミでの学びをこれからの活動の活力にし、美術館での活動を充実したものにしてほしいです。