アーティスト・イン・ミュージアム
アーティスト・イン・ミュージアム 平野真美 Meets 岐阜県立岐阜盲学校
美術館を飛び出して、県内の教育機関や公共施設を会場に開催する「アーティスト・イン・ミュージアム Meets」。第一回目は、アーティストの平野真美さんを招聘し、岐阜県立岐阜盲学校を会場に、作品の公開制作と、児童生徒との共同制作を行いました。
平野さんは今回のアーティスト・イン・ミュージアムに向けて、2018年1月から定期的に岐阜盲学校を訪問し、授業や学校生活の中で児童生徒とコミュニケーションを取ってきました。児童生徒1人1人の個性や特徴を感じ取り、盲学校への理解を深めることで、自身の作品制作や授業での共同制作に繋げました。
開催概要
<公開制作>
平成30年8月20日(月)〜8月24日(金)
会場:岐阜県立岐阜盲学校 図工室
<作品展示①>
平成30年9月26日(水)〜9月28日(金)
会場:岐阜県立岐阜盲学校 ふれあいホール
<作品展示②>
平成30年10月27日(土)、28日(日)
会場:岐阜県立岐阜盲学校 多目的室
<作品展示③>
平成30年10月30日(火)〜11月3日(土・祝)
会場:岐阜県美術館 ホール
<関連イベント>
●ナンヤローネ ワークショップ①「《蘇生するユニコーン》と物語る」
開催日:平成30年7月22日(日)
会場:岐阜県美術館 多目的ホール
●岐阜県立岐阜盲学校オープンキャンパス
開催日:平成30年8月4日(土)
会場:岐阜県立岐阜盲学校 図工室
公開制作
岐阜盲学校が夏休みとなる7月下旬から、図工室をアトリエにして《蘇生するユニコーン》の制作を行いました。公開制作では図工室を一般公開し、ユニコーンの胃や腸など内臓部分を制作。来場者と交流し、《蘇生するユニコーン》の制作に対する想いを伝えました。
授業制作①
2学期は平野さんが図工・美術の授業を行いました。
《蘇生するユニコーン》を児童生徒が近くで観たり少し触れて鑑賞し、感じたことを別の形で表現しました。クレパスで描いたり、粘土で造形したり、点字で作文した児童生徒もいました。作品鑑賞から受け取ったものを自分の表現で形にすることの大切さを伝える授業となりました。
授業制作②
2度目の授業制作では、平野さんが図工・美術の授業を通して、小学部から高等部の児童生徒と一緒に「架空のいきもの」を共同制作しました。
平野さんがいきものの骨格をつくり、児童生徒が着色したり、内臓をつくったり、いきものの特徴や性質などのアイデアを出して、一体のいきものをつくり上げました。
作品展示①
会場:岐阜県立岐阜盲学校 ふれあいホール
作品展示②
会場:岐阜県立岐阜盲学校 多目的室(岐阜盲学校文化祭)
作品展示③
会場:岐阜県美術館 ホール
ナンヤローネ ワークショップ①「《蘇生するユニコーン》と物語る」
岐阜盲学校での活動に先駆け、岐阜県美術館でワークショップを行いました。参加者が《蘇生するユニコーン》とそれを制作する平野さんを鑑賞し、想像した物語や感じた言葉などを原稿用紙に書き出すワークショップです。
この内容は、平野さんが岐阜盲学校へ訪問した時の体験から着想を得ています。小学部の国語の時間、1枚の写真を見て想像した物語を作文する授業があり、平野さんは生徒たちの書いた物語を読んでその独創的な発想に感銘を受けたそうです。
平野さんがこのワークショップのキーワードにあげた言葉は「自己埋没」。参加者は《蘇生するユニコーン》と平野さんが生み出した世界と自己を行き来しながら、感じたことを言葉や絵で原稿用紙に書き表しました。
岐阜盲学校オープンキャンパス
《蘇生するユニコーン》の公開制作と、ナンヤローネワークショップで参加者が書いた作文を展示しました。
平野真美/HIRANO Mami
闘病する愛犬や、架空の生物であるユニコーンなど、対象とする生物の骨や内臓、筋肉や皮膚など構成するあらゆる要素を忠実に制作することで、実在・非実在生物の生体構築、生命の保存、または蘇生に関する作品制作を行う。
1989年 岐阜県出身
名古屋造形大学 造形学部 造形学科 情報デザインコース卒業
東京藝術大学大学院 美術研究科修士課程 先端藝術表現専攻修了
主な展覧会に、平野真美個展「蘇生するユニコーン」(ギャラリーマルヒ/2018)、清流の国ぎふ芸術祭 Art Award IN THE CUBE 2017(岐阜県美術館/2017)、トーキョーワンダーウォール公募2014 入選作品展(東京都現代美術館/2014)など。
岐阜県立岐阜盲学校
明治27年、眼病のために光を失った旧制岐阜中学(現岐阜高校)教員の森巻耳(もり けんじ)先生とイギリス人宣教師のA・F・チャペル氏が、盲人教育のために開設した岐阜聖公会訓盲院が、岐阜盲学校のはじまりです。
〒500-8807 岐阜市北野町70-1
TEL.058-262-1255(事務室) FAX.058-262-2854
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