今回は「カラー・マジック展」の作品を鑑賞して《Such Such Such》を行うアートツアーを開催しました。
「色」をテーマに当館のコレクション作品を厳選し紹介した展覧会です。

開催概要

開催日:2020年1月26(日)
時間:14:00〜15:30(90分)
会場:岐阜県美術館
対象展示:「カラー・マジック 田口コレクションと安藤基金コレクション」
対象作品:白髪一雄《地魔星雲裏金剛》
対象作品:三尾公三《夢幻空華(B)》
対象作品:中西夏之《ℓ字型-左右の停止III》

ツアーの流れ

グループごとに作品を鑑賞する

まずは多目的ホールで、みなさんとツアーで行うことを確認します。グループをつくり、簡単な自己紹介をしてから展覧会場へ出発です!

展示室では、じっと作品をみつめたり、感じたことを伝えあったり。
「《夢幻空華(B)》は写真のようにリアルにみえるけど現実にない風景で、幻想的。」
「《ℓ字型-左右の停止III》から、いのちが巡るようすが思い浮かんだ。」
「《地魔星雲裏金剛》の赤はねばっこくて、ものすごいエネルギーを感じる。」
今回の展覧会は、色をテーマにしたカラー・マジック展。例えば同じ「赤」色でも、描かれているものや色味、筆遣い、素材などで全然違う印象を受けるから不思議です。

3つの作品を鑑賞したら、多目的ホールへ戻ります。

コネクターを選ぶ

多目的ホールには、コネクターをいっぱい並べたテーブルが用意されています。コネクターは、作品をみて感じた思いやイメージを、言葉でなく物で表現するための道具です。

1作品につき1つずつ選び、コネクターボックスの中に入れていきます。
「ずっりした感じをうけたから、重いやつにしよう。」
「このざらざらした感じが、イメージに合うな。」

スケッチする

コネクターを選んだらグループごとに席につき、100色の色鉛筆で、作品から感じたことを自由にスケッチします。

かくことに迷ったら、まず好きな色で線をひいてみるだけでも大丈夫。線を重ねたり、選んだコネクターをみたり、グループでお話をしたりしながら、どんどんイメージを膨らませていきましょう。

スケッチが完成したら、コネクターボックスと一緒にSHOW ROOMに並べます。

スケッチで交流会

いよいよツアーの最後、交流会。SHOW ROOMに飾られた作品をみんなで鑑賞します。

今回はグループごとに1人ずつ、描いたスケッチについて発表しました。作品から感じたことやコネクターを選んだ理由、スケッチで表現した内容など、きいていて新鮮だったり、共感したり。お互いの感じ方や表現を共有しあえるのも、アートツアーの醍醐味です。

ツアー後にもう一度作品をみてみると、初めてみた時と違うなにかを感じるかもしれません。

 

参加者の声

「人によって解釈やイメージが同じだったり、違っていたりすることがとても面白かったです。」
「鑑賞者のイメージを物質を通じて表現する機会を頂き、たいへんよかった。」

スタッフの振り返り

子どもから大人まで、幅広い年代の方が参加してくださいました。今回鑑賞した3作品は色合いや描き方が大きく異なっており、「何が描かれているか」よりも「作品からどんな印象をうけるか」というお話を多くきけたように思います。
作品からみえるもの、感じることは人それぞれで、選ぶコネクターが似ているものであったとしても、表現のしかたはやっぱり違います。一人一人感じたことを言葉やスケッチで伝えあうと、作品の世界もどんどん広がっていくようです。