所蔵品セレクション「ぎふの日本画 いのちのリレー 〜土屋禮一を中心に〜」展を鑑賞して、《Such Such Such》を行うツアーを開催しました。
開催概要
開催日:2021年1月17日(日)
時間:14:00〜15:30(90分)
会場:岐阜県美術館 多目的ホール、展示室
対象展示:ぎふの日本画 いのちのリレー 〜土屋禮一を中心に〜
対象作品:グループごとに、以下の8点からそれぞれ3点の作品を鑑賞しました。
土屋輝雄《朝》1957年
土屋禮一《道》1979年、《桜樹》2008年、《雲龍》2011年
長谷川喜久《白映に赤》2018年
加藤東一《ある行進》1974年
林真《業》2013年
加藤栄三《空》1958年
新春第一弾のアートツアー、対象作品を岐阜の日本画とし、春を愛でる和の心をテーマにこれと親和性の高い墨や和紙を素材としたツアーを企画しました。
ツアーの流れ
グループを作って作品を鑑賞する
多目的ホールから4つのグループに分かれてアートツアーに出発!
対象展示「ぎふの日本画 いのちのリレー」の展示室に入ると、大型の日本画作品がずらりと展示されています。
まずは、作品をしっかりと見て、気付いたことや考えたことを交流しました。
コネクターを選ぶ
今回のコネクターは、和紙を折ったり、ちぎったりするなどの加工を施してできた様々な形のものです。
作品から受けた感じに合う形のコネクターを選び、「どうしてこのコネクターにしたの?」と互いに感じたことを話し合いました。
墨で表現
鑑賞した3点の作品から、選んだコネクター3つが手元に残りました。残ったコネクターを見ながら、これを選んだときの感じを思い浮かべて、自分の感じたことを巻き物に墨で表現します。墨の濃淡やにじみ、筆触による様々な表現をつかって、巻き物をつくりました。
全体で交流
各グループで墨の表現を交流し、作品を見たときの感じを共有しました。
作品を鑑賞して(抜粋)
- 《ある行進》は、馬のところどころに赤い光があたって、照らされているように見えました。もしかしたら、人の服も赤が照らされて、光のあたる方向に歩いているってことは、希望や、浄化にむかっているのかもしれないと思います。
- 《道》は、いま自分が立っている所だけに、丁度スポットライトの様な夕陽に照らされています。歩いていくこの先はもう暗くなっていて、とても不安な気持ちになりました。でも、画面左上に山の稜線がクッキリと見えて、ほんの僅かに明るい空が覗いています。コロナ禍にあっても、この先に少し明るい兆しがあるような気がしました。
- 《業》は、芥川の「蜘蛛の糸」のように脚でカニを吊り上げようとしています。手前のタコは死んでいるようにも見えます。きれいごとでは済まない、生きるためには他の生物を食べなければならないという作者の意図が伝わってきます。
参加者の声
- 「ぶわっ」「映え」(鑑賞会でキーワードになった言葉)楽しかったです。
- ほかの方とトークすることで、絵の見方がぐっと深まり絵への興味がより深まりました。また、いろいろな見方があることを知れて楽しかったです。
スタッフの振り返り
- 緊急事態宣言中の開催ということでしたが、当日の飛び込みで参加をしてくれたお客様に感謝です。1グループ3名でゆったりと話し合いができ、コロナの対策をしながらの運営も配慮できました。
- 異年齢での交流が楽しかった。年齢を重ねているから感じることができることもあるし、高校生の参加者が若い感覚で感じたことを伝えてくれたことも勉強になりました。
- 墨による表現は「自分の感じている感じ」を表現するのに適していました。巻き物風に仕立てたことも創作意欲につながりました。