展示室3
リニューアルオープン特別企画2 セカンド・フラッシュ

2019年11月3日~2020年1月5日

岐阜県美術館は、リニューアル休館を機に、館を飛び出してアートプロジェクトやアーティストインレジデンスに取り組みました。今回、その経験や作品を糧として、葉が生い育ち、香り立つように、4組の作家が美術館で発表をします。
今、多様な人々が生きる社会の拠点として、美術館の果たす役割はますます大きくなっています。アートとは、未来を予見し、問題提起をするもの。そしてまた、人々や価値観を繋ぎ、場をつくることもできます。休館中に試みた新しいアートプロジェクトやレジデンスが「ファースト・フラッシュ」だとすると、本展「セカンド・フラッシュ」は、サイトスペシフィックな表現を美術館でいかに結晶化するかの挑戦であり、あの特別な出来事を分かち合いたいという願いでもあります。
時間と共に熟成し、収穫された「セカンド・フラッシュ」が醸しだす味わいをどうぞお楽しみください。

※セカンド・フラッシュ【second flush】は、紅茶の収穫期を表す言葉です。瑞々しくさわやかなファースト・フラッシュの次に摘まれ、芳醇で豊かな味わいが特徴です。flushとは、「芽吹き」「新鮮な輝き」。本展では、「閃光(せんこう)、ひらめき」のflashと音を重ねています。

展覧会チラシ(PDF)

プレスリリース(PDF)

開催概要

タイトル セカンド・フラッシュ
主催 岐阜県美術館
開催期間 2019年11月3日(日・祝)から2020年1月5日(日)
開館時間 10:00から18:00
夜間開館日 第3金曜日(11月15日、12月20日)は20:00まで開館(入館は19:30まで)
観覧料 無料
休館日 月曜日(祝・休日の場合は翌平日)
2019年12月23日(月)から2020年1月3日(金)
会場 岐阜県美術館 展示室3ほか
お問い合わせ 岐阜県美術館
〒500-8368 岐阜市宇佐4-1-22
TEL.058-271-1313/FAX.058-271-1315
Nadegata Instant Party(中崎透+山城大督+野田智子)×養老公園
(NAKAZAKI Tohru+YAMASHIRO Daisuke+NODA Tomoko)

2006年より活動を開始。「場」が変化する過程や体験を重視し、映像や演劇的手法などを組み合わせる作品で高く評価される。
「アートまるケット2018  養老公園プロジェクトParking Promenade」 (2018)では、《養老天命反転地》を引用し、野外プロジェクトの可能性を示した。その解放感と機知溢れる体験型作品を、美術館の展示室に凝縮する。

平野真美×岐阜盲学校
HIRANO Mami

1989年 岐阜県出身。ユニコーンの骨格・内臓から毛皮まで、身体を構成するあらゆる部位を精巧につくり、生命維持装置をつなぎ蘇生を目指す作品をライフワークとする。
「アーティスト・イン・ミュージアム 平野真美 Meets 岐阜県立岐阜盲学校」(2018)での視覚を巡る思索を、新作の半立体タピスリーとユニコーンや盲学校の生徒作品を使いながら探求する。

松本和子×北方町生涯学習センターきらり
MATSUMOTO Kazuko

1988年 大阪府出身。水や砂や石灰といった自然素材を使うフレスコ技法を用いて、きらめく光や吹き抜ける風、人の気配が漂う室内風景を独特の詩情で描く。
「アーティスト・イン・ミュージアム 松本和子 Meets 北方町生涯学習センターきらり」(2019)で制作した壁画をもとに、表層を剥ぎ取るストラッポ技法を応用し、重層的な空間表現を試みる。

宮田篤+笹萌恵×岐阜県図書館
MIYATA Atsushi+SASA Moe

2009年より活動を始める。お話の続きを地域住民と相談する連載マンガなど、“仕組みや仕掛け”によって生じる他者とのイメージのずれや重なりを作品のきっかけとしている。
「アーティスト・イン・ミュージアム 宮田篤+笹萌恵 Meets 岐阜県図書館」(2019)から連続する本展では、言葉のイメージが変容していく《微分帖》を、時間・空間的にひろげるやりとりを企む。