福井県立美術館ボランティアと楽しむアートツアー(2023年11月23日実施)

開催概要

開催日:20231123(木・祝)
時刻:13:3015:30
会場:岐阜県美術館 多目的ホール、展示室3
対象展示:「越山若水が育んだ美−福井県立美術館・若狭歴史博物館名品展−」
対象作品:
・岩佐源兵衛勝重《群鶴図》寛文11年(1671)
・狩野芳崖《伏龍羅漢図》明治18年(1885
・元永定正《いろだまいろだまくろからしろから》昭和61年(1986
参加者:11
講師:福井県立美術館ボランティア5名、アートコミュニケーター「〜ながラー」6名、福井県立美術館職員3名、岐阜県美術館職員4

2021年に福井県と岐阜県の連携事業で福井県立美術館で開催された「ももきねの美 清流の旅 ~日本画の巨匠と陶芸の人間国宝~ 岐阜県美術館名品展」の関連イベントとして、アートコミュニケーター「〜ながラー」が県外遠征し、日比野克彦アートコミュニケーション作品《Such Such Such》を福井県立美術館ボランティアと実施しました。
(2021年のアートツアーの様子はこちら

今回のアートツアーでは福井県立美術館のボランティアが岐阜県美術館に来館し、「〜ながラー」と協同して「越山若水が育んだ美−福井県立美術館・若狭歴史博物館名品展−」の展示作品を対象にイベントを行いました。

遠方に住む福井県立美術館ボランティアと「~ながラー」がイベントを行うにあたり8月から複数回のオンラインミーティングを重ね、イベントの準備を行ってきました。
今回のツアーを先導するリーダーは福井県立美術館のボランティアと「〜ながラー」が担当しました。当日の午前中に顔合わせをし、お客様を迎えるための準備や最終確認を行いました。

●ツアーの流れ

○オリエンテーション

受付から福井県立美術館ボランティアと「~ながラー」が協力し、運営を進めました。

参加者の皆さんが多目的ホールに集合し、まずはオリエンテーションです。
はじめに、アートツアーの流れと日比野克彦アートコミュニケーション作品《Such Such Such》について説明をしました。
そのあと展示室での注意事項を確認し、グループリーダーを発表しました。今日一緒に活動するメンバーの皆さんと一緒にグループごとに自己紹介をしました。
自己紹介を終えたチームから展示室に出発です!

○展示室で作品鑑賞

福井県立美術館のボランティアのファシリテーションで対話型鑑賞が進んでいきます。「~ながラー」はタイムキーパーを担当しながら、参加者の方が対話をしやすいように声掛けを行いました。
福井県立美術館のボランティアが来館者のみなさんの作品への想いを受け止め、みなさんとの対話を楽しみながら鑑賞する様子が見られました。
1作品を10分程度かけじっくり鑑賞し計3作品の鑑賞を行いました。

〇コネクターを選ぶ

自分が作品を見て感じたことを、「物」で表現します。《Such Such Such》では、作品と、自分が感じたことをつなぐ役割をする物のことを、「コネクター」と呼んでいます。
コネクターが参加者の見えない「感じ」を代弁するきっかけとなり、選んだ理由や自分の想いなど、話がはずみます。

コネクターは
岩佐源兵衛勝重《群鶴図》は音が出るもの、細長いものなど
・狩野芳崖《伏龍羅漢図》は光るものなど
・元永定正《いろだまいろだまくろからしろから》はカラフルなものなど
を選びました。
コネクターは運営チームがオンラインミーティングなどで作品を研究し、どんなコネクターを用意するか検討し決定しました。
「どうしてそのコネクターを選んだの?」同じ作品を一緒に鑑賞していても、それぞれ感じ方が違いました

〇スケッチする

箱の中に集まったコネクターを通して、自分の作品をみたときに感じた気持ちをスケッチで表現します。

〇交流する

どんな気持ちでスケッチをしたのかチームごとに交流をしました。表現の仕方にも個性があり、それも対話が弾むきっかけとなりました。チームでの交流の後は他のチームのスケッチも見てまわります。スケッチを通して、どんな対話があったのかな、と話題が膨らんでいきます。
グループから代表の方に発表をしてもらいました。

今回のアートツアーはアートコミュニケーター「~ながラー」の5期募集イベントとして、アートコミュニケーターの普段の活動を見てもらおうという試みでもありました。
最後に「~ながラー」が自分たちの活動のアピールをし、今回の会を締めくくりました。

〇参加者の声

・ひとつの絵をみてそれぞれ違う感想があっておもしろかった。スタッフの方の見方や考え方を聞くことができてよかったです。
・本日のイベントで今後美術館におとずれるとき作品の見方が変わるだろうなと楽しみにしております。
・絵画の背景を深く考え、想像することが楽しかったです。

〇福井県立美術館ボランティア・「~ながラー」のふりかえり

・福井県美術館のボランティア、「~ながラー」共にそれぞれが力を発揮し合えたのではないでしょうか。高齢の参加者の方は、作品鑑賞とコネクター選びの時間を合わせると長時間の活動になり、大変ではないかと心配したが、楽しんでいただけたので良かったです。(福井県美術館ボランティア)

・参加者の笑顔が嬉しく、自分達が主体者となって動いた時、参加者が楽しそうに話してくれたり、「楽しかった。ありがとう」と声をかけて下さったりすると活動していてよかったと感じます。(~ながラー)