アーティスト・イン・ミュージアム
アーティスト・イン・ミュージアム AiM2017 田中彰
平成29年度2回目の「アーティスト・イン・ミュージアム AiM 2017」では、アーティスト田中彰さんを招聘し、公開制作を行いました。
田中さんは約1ヶ月間、毎日実習棟をアトリエに、美術館や周辺の環境、滞在中の生活の中から発見した視点や考え方と向き合いながら作品を制作しました。
中学生の時、初めて岐阜県美術館を訪れ、オディロン・ルドンの作品を見て、美術作家になりたいという気持ちが芽生えたという田中さん。今回はオディロン・ルドンのパステル画から着想を得て、美術館庭園の樹木の葉を粉砕し練り固めた植物パステルを制作。それを使ったパステル画を完成させました。
また、カラスをモチーフに、滞在中訪れた場所や見た景色のイメージを電熱ペンで彫った木版画と自身で焙煎したコーヒー豆をリンクさせた作品や、カラスの巣をイメージし、枝を使ったインスタレーションで作品を会場全体に展開しました。
自然物を材料に、無機と有機の間の着地点を制作の中で探る試みとなりました。
開催概要
<公開制作>
平成29年10月20日(金曜)から11月12日(日曜)
<作品展示>
平成29年11月17日(金曜)から12月10日(日曜)
<関連イベント>
●クロストーク
平成29年11月4日(土曜) 14時〜
【出演】田中彰(招聘作家)、澤宏司(数理科学 / Webマガジン『E!』責任編集(eureka-project.jp) / 国際基督教大学高校 / 学習院大学)
【事前申込み】不要
【参加費】無料
●ワークショップ
アーティストとつくる木版画体験 コーヒー豆のお土産つき
(長良川おんぱく関連企画)
平成29年11月5日(日曜) 午前10時から午後4時まで
【参加費】3,000円
【事前申込み】必要
公開制作
作品展示
クロストーク
ワークショップ
会期終了後
作品の枝と葉は、田中さんの手により屋外へ移築されました。
田中彰さんが、今回の公開制作を終えた時に書かれたテキストを公開しています。(PDF)
田中 彰/TANAKA Sho
1988年岐阜県土岐市出身。
ある時は直径130cm、長さ4mのヒマラヤスギの大木を刳りぬいて、内側を版木にしたり、またある時は海辺の流木に虫眼鏡で太陽光を集めて焼き焦がして紙に摺りました。最近は世界中を移動するコーヒー豆と流木の流れに注目し、木版画で作ったオリジナルの袋に、自分で焙煎したコーヒー豆を詰めたコーヒーパペットを作っています。木版画の持つ技法を超えて木の持つエネルギーや性質を引き出すことで現代の人との関わりを探っています。
主な個展に「木に人を接ぐ」(東京オペラシティ アートギャラリー 4Fコリドール、東京、2017)、樹について(三菱一号館美術館歴史資料室、東京、2016)
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