1983年度(昭和58年度)企画展
郷土作家シリーズ1
坂井範一展 色と形の世界
会期:昭和58年4月28日(木)~5月22日(日)
主催:岐阜県美術館
出品点数:100点
郷土に根づきながらも全国的な立場で活躍している作家をとりあげる「郷土作家シリーズ」の第1回として開催した。坂井範一は、1899(明治32)年に岐阜県加茂郡(現・美濃加茂市)に生まれた。1926年(大正15年)東京美術学校(現・東京藝術大学)図画師範科を卒業したのち、岐阜県女子師範学校(現・岐阜大学の前身である岐阜県師範学校の女子部が分離した学校)で教鞭をとったが、帝展に入選したのを機に翌年退職して東京美術学校研究科に進み、藤島武二に師事した。岐阜に疎開してからは戦後の混乱期の中で県展を興し、岐阜県の美術界をリードする役割を果たした。また、岐阜大学学芸学部(現・岐阜大学教育学部)教授として後進の指導にも務めた。
展覧会では、坂井の美術学校時代の習作から帝展入選作、新制作派協会展出品作をはじめ、晩年の主な題材となった「源氏物語」のシリーズまでを年代を追って展示した。
今日の造形1
幻想と造形展 ―ホログラフィと不思議な震動の世界―
会期:昭和58年7月21日(木)~8月21日(日)
主催:岐阜県美術館
出品点数:40点
本展は、石井勢津子、佐藤慶次郎両氏の作品を通して、われわれに時代に則した今日の問題を提起すると同時に科学と芸術の原始的、本質的関係を問い直すことを趣旨としたものであった。両氏の作品に対する立場は、描きこまれ、彫りこまれて強固につくられた伝統的な美術の延長上にあるのではなく、何か不確実な、不定の万象に根差すように思われる。両氏の作品は、科学によるものでありながら、芸術そのものでもある。
生誕100年記念展
前田青邨とその弟子
会期:昭和58年10月15日(土)~11月13日(日)
主催:岐阜県美術館・朝日新聞社
出品点数:前田青邨53点、弟子8点
郷土の生んだ近代日本画壇の巨匠前田青邨生誕百年を迎えるにあたり、開館一周年を記念して開催した。本展では、前田青邨の初期から晩年にいたる代表作作品を広く網羅し、日本画の近代化を協力に押し進めながら数々の名作を創生した青邨芸術の全容を展望するとともに、その弟子たちの作品をも併せて展観した。
青邨の薫陶を受けた弟子たちとしては、太田聴雨、中島多茂都、江崎孝坪、須田洪中、守屋多々志、月岡栄貴、平山郁夫、小山硬の8人を選定した。青邨に師事しながら、それぞれに独自の画境を展開した弟子たちであり、近代日本画のひとつの強力な流れがたどれるものであった。
ジャコメッティ展 ―極限への手探り マーグ財団コレクションを中心に
会期:昭和58年11月23日(水)~12月25日(日)
主催:岐阜県美術館・読売新聞社・現代彫刻センター
出品点数:127点
本展は、20世紀フランスの代表的彫刻家の一人、アルベルト・ジャコメッティ(1901~66)の回顧展である。スイスの寒村に生まれたジャコメッティは、豊かな芸術環境の下に育まれ、彫刻家を志してフランスの彫刻家ブールデルのアトリエに学んだ。
本展では、マーグ財団の協力を得て総数127点を集め、1946年以降の作品を中心に初期の代表作も加え、彫刻・油彩・素描・版画と作品は広範囲に渡った。
ポップ・アートとその周辺展 版画にみる世界の50作家
会期:昭和59年1月15日(日)~2月12日(日)
主催:岐阜県美術館
出品点数:304点(50作家による版画作品)
今日、版画は、絵画や彫刻とならぶ重要な一ジャンルとして位置づけられているが、こうした位置づけを確たるものにしたのは、1960年代に新しい動きとして注目された、ポップ・アートの作家たちによるものといえよう。
美術における1960年代は、次々と新たな局面を展開したが、その主な動向として、1950年代末以降隆成を極めた抽象表現主義、1960年代になって登場するネオ・ダダと反芸術的傾向、アッサンブラージュ、ポップ・アート、オプ・アート、プライマリー・ストラクチュア、ミニマル・アート、キネティック・アート等が挙げられよう。この時期に現れた様々な変化や要素が、以後の現代美術の展開に大きな影響を与えた。本展は、こうした戦後の国際的な美術の動向を、ポップ・アート周辺の動きに焦点を当て、展望しようとしたものである。
美濃陶芸の今昔展 ―桃山時代と昭和にみる文様と形の美―
会期:昭和59年3月3日(土)~3月25日(日)
主催:岐阜県美術館
出品点数:137点
志野、織部、黄瀬戸に代表される美濃桃山陶の出現は、日本陶芸史に一時代を画するものである。江戸初期以後、産業としての美濃焼は盛衰を繰り返すが、桃山時代の雄渾な創作力は忘れ去られていったかのように見える。1930(昭和5)年、荒川豊藏が現在の可児市久々利大萱で、志野の陶片を発見した。昭和の美濃陶芸史に名を残す陶芸家たちは、例外なく美濃桃山陶再発見を受け、またより広範な意味での古典回帰の風潮の洗礼を受けている。
昭和前期と桃山から江戸初期という二つの時代を、美濃陶芸の発展史における美術工芸確立期とその源泉として捉え、本展をこの二つを比較対照する機会とした。
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