開催概要
開催日:令和3年4月25日(日)
時刻:10:15~16:00
会場:スタジオ、多目的ホール、展示室
対象展示:素材転生−Beyond the Material
鑑賞作品:大貫仁美展示空間
プログラムの流れ
オリエンテーション
最初に「こわす+つなぐ」このタイトルに込めたアートアクションへの思いを、 大貫仁美さんから直接、話を聞くことができました。
「あえて完成されたものをこわす」「傷も含めて作品化する」今回は、体験をとおして作家の思いにふれます。
石膏取り
参加者には、自宅から靴下を持ってきていただきました。自分が気に入っていた靴下、子どもがはいていた靴下、持ち寄った靴下はそれぞれドラマがありました。
その靴下の型取りを石膏で行いました。石膏の固さを確かめながら手早く型取りをしていきます。
大貫仁美さんによるギャラリートーク
石膏が乾燥するまでの間に、大貫さんから展示会場内でギャラリートークをしていただきました。
大貫さんは、参加者の方からの質問に一つ一つ丁寧に答えてくださり、時間が足りないくらいでした。
石膏の型が完成!
スタジオに戻ってくると、先ほど型取りした石膏が固まりかけていました。型を割らないように、靴下をそうっと、そして力を込めて、外します。
石膏の型の表面には、靴下の布の質感がしっかりと残ってていました。その型を木槌で二つか三つに割りました。
ここまで午前の部は終了し、お昼休憩をとりました。
ろうを流し込む
大貫さんは、ガラスを素材とした手法で制作されますが、今回はガラスの代わりにろうを使用しました。
休憩の間、流し込むろうの準備です。湯煎でろうをとかし、色をつけていきます。美術館サポーターの方々にも協力いただき、無事に準備完了です。ありがとうございました。
さて、午後の部スタート。
ろうが型のへりからこぼれないよう、気を付けながら流し込みました。参加者のみなさんは、思い思いに色をつけてオリジナリティあふれる作品をつくっていきました。
金継ぎのように接合して彩色したら完成!
ろうでできた靴下を型から取り出して、グルーガンで接合します。「無理に形を整えないで、多少のずれがあってもいいから、ありのままに」という大貫さんの言葉が印象的でした。
最後に、金継ぎを模して、金色のアクリル絵の具で彩色しました。
交流会
最後に、お互いの作品を鑑賞し合って参加者同士で交流しました。
長時間にわたって、お客様と大変充実した時間を共にすることができました。大貫さん、ありがとうございました。
参加者の声
・作家の先生に直接教えていただき、とても貴重な経験ができました。展示会場でもいろいろなお話が聞けて、1回目に見たときよりも違った感じで鑑賞できました。作品もよい思い出になり、とても楽しかったです。
・作家の方のつくり方を体験できるのが新鮮で、おもしろかったです。つくり方を知ると、作品の見方がますます深まるなと思いました。
・大変楽しいワークショップで、感激です。
スタッフの振り返り
・ガラスをろうに置き換えて体験するなど、素材自体は異なりますが、「こわす+つなぐ」という作品のコンセプトに結び付くような活動を提供していただけたことで、お客様の作品に対する理解が深まりました。
・準備は大変でしたが、お客様には普段できないような体験が盛りだくさんのアートアクションとなりました。大貫さんには長時間にわたってご指導いただき、感謝しています。