開催概要
開催日:令和3年6月27日(日)
時刻:11:00~12:00 13:30~14:30 15:00~16:00
参加者:各回8名、合計24名
会場:アトリエ、スタジオ
対象展示:アーティスト・イン・ミュージアム AiM Vol.10 田中翔貴
講師:田中翔貴・秋保久美子(アトリエhitotema)
この春、アトリエを会場に制作された田中翔貴さんの作品は、ゼラチン・シルバー・プリントに「形地染め」を組み合わせ、「うつす」ことを主眼として制作されました。野外彫刻や美術館の建屋、庭園の植物たちを写しとった画面からは、季節や時間の移ろいをも感じさせるものとなりました。
今回のアートアクションは、田中さんとともに(アトリエhitotema)として「形地染め」を開発した秋保さんを迎え、お客様に体験をとおして、田中さんの表現に込めた思いにふれたいと思います。
プログラムの流れ
オリエンテーション
田中翔貴さんから今回アトリエで制作した作品に込めた思いや岐阜県美術館にある植物を使った「形地染め」について、お話を聞きました。
散策しながら植物採集
岐阜県美術館の庭園や裏庭を散策しながら、うつし取りたい植物を採集しました。普段は気にもとめなかったような植物たちを改めてじっくりと観察しました。どんなふうにうつるのか、採集しながら気持ちも高まります。
見つけた植物を布にはさんで写す
あらかじめ田中さんが準備された布に、参加者が採集した植物をはさみ、金槌で叩きます。「トントン、トントン」思い思いの配置を考えながら、うつしとりました。
媒染して布に定着
うつした布を「鉄」と「銅」2種類の媒染液で定着します。
青色の液体が「銅」黄色が「鉄」です。
水洗いをして完成!
最後に布を水洗いすると色の変化がはっきりと出てきました。これを木々の間につるして、乾いたら完成です。
交流会
木々の間に「形地染め」をつるして、植物の配置の仕方や媒染によって引き出された意外な形や色を楽しみました。
参加者の声
・ふだん見過していた植物の美しさにふれさせてもらえる機会となりました。
・作家さんと直接お話ししながら、人柄にもふれることができました。
・自然にふれながら楽しくでき、心が癒されました。
・初めての体験で、楽しくのんびりできました。先生の雰囲気で、とてもリラックスできました。
・植物をうつし取るのが、とても楽しかったです。色の変化も予想外にあり、驚きました。
・思っていたようにはならない変化が面白かったです。アトリエhitotemaさんの形地染めは、たくさんの色を試して制作されていることが分かりました。
スタッフの振り返り
・体験そのものが、小さな子から大人まで楽しめるものであり、普段は見過してしまうような身近なところにある美を発見する機会となりました。
・媒染により意外な色が出てきたり、その時にしか現れない色もあると教えていただいたりして、自然の不思議さや魅力にあふれた体験になりました。
・講師の田中さんや秋保さんが参加者と積極的にコミュニケーションをとってくださいました。おかげで、参加者の皆さんは、安心して活動を楽しめたと思います。
・第一回はアトリエの展示空間を見ながらできました。第二回、第三回は天気が心配でしたからスタジオで開催しましたが、雨に降られず最後までできてよかったです。